独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

迷惑をかけなさい

他人に迷惑をかけなさい。

そう言いたい。まず自分に言い聞かせたい。そして声を大にして他人に言いたい。

 

もちろん社会常識に反している。社会常識では、他人に迷惑をかけるなと常々言われる。そしてそれは全く正しい。他人(ひと)様にご迷惑をかけるようなことをしてはいけない。自分がされたら困ることを他人にしない。お互いが思いやり、暮らしやすい社会を。他人に迷惑をかけるな。金科玉条

しかしだからこそ私は、声を大にして叫ばなければならない。他人に迷惑をかけなさい。ある特定の人に向かって。世の中には、自分の言うこと為すことが他人の迷惑になると思い、何も言えず何もできない人たちがいる。その人たちに向かって声を大にして言いたい。他人に迷惑をかけなさい。

 

他人に声をかけられない人の気持ちは私はよくわかる。私は以前ヨーロッパから日本への12時間の飛行機で、通路側の人に声をかけるのが億劫だったので、一度もトイレに行かなかったことがある。

hidsgo.hatenablog.com

そこで別記事に書いた言葉を引用したが、自分は

私は人に話しかけるときは自分が話しかけることが相手の迷惑にならないか百万回くらい逡巡しますから、

という人間で、相手に話しかけるときによほど気を遣う。もっとも私は、「相手の迷惑にならないか百万回くらい逡巡」するにしても、トイレに行く必要があれば隣の人に声はかけられる。ただ声をかえることにかなりのエネルギーが必要で、トイレに行かずに済ませたのだ。 

 

しかしその行動が起こせない人も少なからずいるのは想像に難くない。そんな人たちに向かって、人はアドバイスする。

「自分の思ったようにやってごらんなさい。他人に迷惑にならなければ。」

しかしこう言われると、行動を起こせない人にとっては最後の「他人に迷惑にならなければ」が重くのしかかり、やはり身動きが取れなくなると思う。そんな人に私は言いたい。「迷惑をかけなさい。」

 

自分の要求を口にすると、相手に影響を与える。自分が黙っていた場合の物事の流れを止め、変化を与えることになる。でもだから迷惑なのではない。相手は応対する。相手も要求を出す。こちらも応対する。そうやって物事は進む。まず相手に伝えよう。

 

コメント設定変更

この数日スパムコメントに荒らされてしまいましたので、コメント設定を「ユーザー」に変更しました。

普段はコメントもブクマもほとんどない静かなブログですが、それだけにスパムに荒らされるのは困りますね。

しばらくこの設定にしておきます。

staff.hatenablog.com

 

ホーキング博士と内向性

スティーブン・ホーキング (Stephen Hawking) 博士が亡くなられた。76歳。70歳代で亡くなるとまだ若いと感じられる昨今ではあるが、ALSを患いながら最近まで活動を続けられたことには、畏敬の念しかない。

www.bbc.com

大変有名な人であるが、恥ずかしながら私は具体的な業績や人となりはあまり詳しくない。英語本好きなら必読書といってもいい「A Brief History of Time」も読んでいない。

そんな私だが2年前にこのブログで博士について記事を書いた。よく聞いているBBCニュースで博士の講演の一部が放送され、その中の博士の言葉を書き留めておきたかったからだ。

hidsgo.hatenablog.com

改めて記すと

Just because I spend a lot of time thinking doesn’t mean I don’t like parties and getting into trouble.

思索にふけるからといって、人づき合いが嫌いなわけじゃない。

 

何度聞いてもいい言葉だ。この言葉だけで博士の温かさと好奇心の多さが感じられるようだ。上の記事にも書いたが、この前後も白眉である。

講演のあと若い男性が、音声合成装置は内向的な性格を外向的に変えたかと質問する。博士は答える。

Well I am not sure I have ever been called an introvert before. Just because I spend a lot of time thinking doesn’t mean I don’t like parties and getting into trouble. I enjoy communicating and I enjoy giving popular lectures about science. My speech synthesizer has been very important for this, even though I ended up with an American accent.

 

細かくコメントするが、博士はまず、

Well I am not sure I have ever been called an introvert before.

自分が内向的と言われたことがあるかわからないがと、おそらく博士の人となりをよく知らない人が、イメージだけで想像する内向的という見方をやんわり否定する。そして上に挙げたこのフレーズが続く。

Just because I spend a lot of time thinking doesn’t mean I don’t like parties and getting into trouble.

黙って思索にふける物理学者、気難しい人嫌いに見られがちなのかもしれない。しかし博士はそんなステレオタイプ的なレッテル貼りは退け、人が好きと言う。

I enjoy communicating and I enjoy giving popular lectures about science.

人とのやり取りが好きで、講演も好きなんだと。

My speech synthesizer has been very important for this, even though I ended up with an American accent.

音声合成装置は、コミュニケーションや講演に大変重要な役割を果たしていると、音声合成装置についての質問に答える。そして「アメリカ訛りになってしまうがね」と、最上のユーモアを加える。イギリス人としてアメリカ訛りにはなりたくないが、この自分には必要な機械のせいでアメリカ訛りになってしまう。うーん、Is this called that famous British sense of humour?  どうなんでしょう、well, dunno。

 

 

このくだりは本当にいいですね。引用して記事にしておいてよかった。この数行で博士のユーモアセンスのある温かさがわかる気がする。

なお上記記事の補足として、ソースなど加えた記事を以下に記している。なので今回取り上げて3回目になるが、何回でも味わえる言葉である。

hidsgo.hatenablog.com

 

内向的ということに関しては、博士はこんな言葉も残している。

Quiet people have the loudest minds. 

 

静かにしているからといって内面が空っぽなわけではない。むしろいろいろな考えに溢れている、だから静かなのだ。思索を巡らせていただけではない。発声も含め体をほとんど動かせなかった博士は、静かに佇みながら、言いたいことをまだまだ無限に抱えていたに違いない。

 

A Brief History of Time、読んでおきます。

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10人居れば

自意識過剰な自分への戒めとしてよく思うこと。 

10人と一緒に居るとする。同じクラス、会社の同じ課、何でもいい。10人居れば、その中の1人はあなたを好意的に思うだろう。もしかしたら直接いろいろ話しかけてきて、仲良くしたい態度を示すかもしれない。10人の中の1人は、あなたを評価しないだろう。あなたへの否定的なコメントを直接あなたに、あるいは周囲の人たちに言うかもしれない。残りの8人は、あなたを特に何とも思っていない。 

大切なこと2つ。1つ目、否定的な1人に振り回されないようにしよう。すべての人に好かれるということはない。大勢の中には低評価を下す人はいる。それに傷つき、その苦しさに支配されないように気をつけよう。とは言えどうしたら支配されないようになるか、それはわからない。けれども、私たちはとかくわずかなネガティブ評価に囚われがちだが、それは全体の1部であることを認識しておくのは大切なことだと思う。 

2つ目。8人はあなたを特に何とも思っていない。しかしこの8人はあなたを否定しているわけでもなく、無視しているわけでもない。普通に1人の人として受け入れている。でも好きとか嫌いとか、特に気にしてない。ただそれだけ。あなたが話しかければ応じるし、相手の心をくすぐることを言えば喜ぶだろう。いきなり変なことを言えば変な人と思われるだろう。その人たちは別にあなたを最初から否定していない。 

この認識は私にとって大切だ。というのは、私は世の中の多数の人は自分のことを否定していると自然に思ってしまうからだ。でも実際は、他人は私にそんなに関心はなく、好きというわけではないが、嫌ったり否定したりもしていない。それを自然に了解するのは難しくても、頭で認識しておくのは大切だ。 

特定のネガティブ評価に囚われ過ぎないようになること、多数から否定されているわけはない感覚を身につけること。そのためには何らかの受け容れ体験が必要なのかもしれない。もしかしたら薬が助けになるかもしれない。でも少なくとも頭で認識しておくのは大切だと思う。

 

2018年日本棋院カレンダー ~ 懸賞当選

1月中旬のことだが、日本棋院から今年のカレンダーが送られてきた。浮世絵がモチーフになっている。(カレンダー詳細は記事末尾に。)

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送られてきて思い出した。1月初めに「週刊碁」の懸賞に応募したのだった。アンケートに回答すると、抽選で賞品がもらえるというものだ。

週刊碁 碁界ニュースグランプリ2017 | 日本棋院

賞品が当たるのは116名で、カレンダーはD賞で40名。これに当たったわけだが、すごくない? 大吉運だろうか。

賞品に添えてあった送り状に「週刊碁をご愛読いただき、まことにありがとうございます。」とあったけれど、実は週刊碁は読んでいない。アンケートに「週刊碁を読みますか」という質問があり、はっきり「いいえ」を選択して、それ以降の内容に関する質問は無回答だったわけで。今回のアンケート&懸賞は、星合志保二段のツイッターを見て知って、webページから応募した。ハガキだと手間がかかるが、ネットだとすぐだからね。賞品がもらえるとは思ってなかった。

どうせ応募者が少なかったんだろうとか、購読していない人に販促で送ったんじゃないかとか、自己評価が低く猜疑心が強い私は疑ったけれど、ひねくれていては道は開けない。素直に喜んで受け取りましょう。週刊碁は今は読んでいないけれど、30年以上前は時々読んでた。駅の売店で買ったりしてたし、もしかしたら一時的に定期購読していたかもしれないくらい。堂々と受け取りましょう。

このブログの今年の目標などの記事に、囲碁については書いていない。でも「囲碁初段」はいつでも密かな目標だ。30年来くらい、私の囲碁はずっと1桁級レベル。60歳で囲碁初段あってほしい、ずっとそう思っていた。初段レベルがないと、碁会所行ってもあまりおもしろくないからね。どうかな、到達できないかな。

カレンダーをもらった機会に、もう少し囲碁にも近づければ。

 

ちなみに今年の浮世絵カレンダーの詳細はこちら (棋聖堂サイト)。

2018年日本棋院カレンダー 浮世絵解説

 

Shall we ダンス? @日劇

有楽町マリオンの「TOHOシネマズ日劇」が今日で閉館するということで、かつての名画・人気作を上映するラストショウ イベントが開かれていた。私はこの映画館でよく映画を観たし、昨日上映の「Shall we ダンス?」は観てなかったので、そそくさと有楽町へ行ってきた。

今さらながらのマリオン。

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有楽町駅側から見て、左がルミネで上に松竹、右が阪急メンズで上に東宝。もともと日劇のあった場所にマリオンが出来て、TOHOシネマズ日劇という形で今日まで引き継がれてきたが、その日劇の歴史に幕が降りるということらしい。

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9F。左松竹、右東宝

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映画ファンが集う。

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本編上映前は日劇の歴史がスクリーンに。

 

そして映画。

movies.yahoo.co.jp

会社と家との往復という平凡でつまらない生活を送っていたサラリーマンが、ダンスの世界に入り込み、出会った人々との心の交流。

私は普段孤独に苛まれる生活を送っているため、こんな優しい映画を観ると、涙がぼろぼろこぼれるんですわ。思い切って見に来てよかった。

 

映画上映後、周防監督の舞台挨拶があった。

www.cinematoday.jp

舞台挨拶というのを見るのは、もしかしたら私初めてかもしれない。いろいろおもしろかった。この映画がきっかけで、草刈民代さんとご結婚されたんですね。

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「TOHOシネマズ日劇」が閉館したのは、近くに東京ミッドタウン日比谷が3月末オープンし、そこにTOHOシネマズが入るため。マリオンのこのTOHOシネマズの跡地は、11Fのスクリーン1は多目的ホールに、9Fのスクリーン2,3は、プラネタリウム (コニカミノルタプラネタリウム) になるらしい。

有楽町、日劇跡地は貸しホールとプラネタリウムに 2018年オープン | アニメーションビジネス・ジャーナル

 

完成した東京ミッドタウン日比谷。

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こういうものが出来ているとは知らなかった。街は変わる。

また遊びに来よう。

 

Don’t lose the big picture.

前記事で今年の目標として、検定試験や体力づくりについて書いた。これらが目標であることは確かだ。でもその目標に全力で、とは私は言えない状況ではないかとも思う。

 

もし私が20歳くらいの学生なら、それらに時間をかけてチャレンジするのもアリだろう。また30代40代で、本業の仕事が順調なら、つまりまず収入の発展が期待できるなら、語学やスポーツの目標は生活に幅を持たせることだろう。

私は気づけば、60歳が見える位置にまで来てしまっている。

会社員であれば、60歳が定年で希望すれば再雇用で65歳まで、というところが今は多いのだろうか。私は非正規雇用で、1年ごとの更新。60歳定年ではないが、収入は多くなく退職金も無く、死ぬまで働かないといけない。いつ雇用が切られるか、わからないながらも続いていたが、非正規が同一事業者で働く年数の上限が法制化され、私も現在のところは先が見えている。年金開始は65歳だが、それ以前に今の雇用は終わる。またそもそも、年金も10万ちょっとくらいのはずで、死ぬまで働かなくてはというのは、そういうことだ。

 

今年の目標として、語学学習するのはいい。が、目の前の学習にすべてが奪われ、すぐ数年後にやって来るクライシスを忘れてはいけない。というわけでタイトル。木ばかり見ていて森、Big picture、を見失わないように。

 

このような状況で、今後どうするのか、あまり具体的なことはまだ書かない。自分でもはっきりしていないし。

こうなることは10年以上前からわかっていたはずだが、結局いつも目の前のことに意識が奪われて、ここまで来てしまった。もっと言えば、17、8歳の頃から内面の苦しさでわーわー叫んでるのみで、ここまで来てしまった。

これが私の状況。この状況の中で、目の前の語学学習や趣味に取り組むこと、その日体験したちょっとイイこと悪いことなどを、ブログに書いていきたい。

この10年、昇給無しは辛かった (ボーナスはもとより無い)。すっかり心が折れたときもあった。でももうラストスパート。1日1日大切に。