独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

ひとりパブリックビューイング

ひさびさの「ひとり」エントリー。

ラグビーワールドカップ勝戦パブリックビューイングに行ってきた。

予想以上の盛り上がりが日本を包み込んだRWC2019。決勝戦はテレビでじっくり見る手もあったが、この盛り上がりを感じたく、ひとり出かけることにした。

向った先は横浜臨港パークパブリックビューイング会場。

 

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横浜駅から歩き、こちらはパシフィコとは反対側のサブゲート入口。入場無料。試合は午後6時からだが午後3時半くらいに着く。まだそれほど混雑していない。

 

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スクリーン前の芝生はすでに場所取りのシートで埋められていた。私は座るためのシートを持ってなかったし、1人では場所確保もむずかしいので、立って見ることにして会場散策を続ける。上の画像のスクリーンは準決勝の南アフリカ vs ウェールズ戦。

 

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遠くの芝生もすでにかなり埋まっていた。

上の画像は背景の湾曲した形の建物を撮りたかった図。みなとみらいも知らないうちに建物が増えてきている。この湾曲した建物は来年開業予定の「横浜ベイコート倶楽部」とのこと。

 

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テント内で飲み物、他に会場で食べ物・飲み物が売られていた。屋外は寒いのでテント内で見るのもよい。

 

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ストロングボウ (Strongbow)。サイダー (Cider) と呼ばれるリンゴの発酵酒。イギリス滞在時 (20年前) はよく飲んだ。アルコールを飲むとすぐ赤くなる私だが、コップ1杯飲んでも何ともなく、あれ、ただのジュースだったかと思ったら、かなりあとから回ってきた。アルコール分5%でビールと変わらないが、何だったのだろう。
他に唐揚げやポテトを食べてお腹を満たしておく。会場をうろうろしていたら知人に会い、少し話したりして時間を過ごす。

1人なら遅く来てもどこかで立ち見は出来そうだった。しかし5時くらいに入場規制がかかったようで、早めに来て正解だったろう。

試合開始1時間前、5時くらいには立ち位置を決めてそこから動かないことにする。日中はよかったが日が陰ると少し寒い。中に着るものを1枚余分に持っていて助かった。

 

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午後5時半、試合開始前イベントが始まる。

サッカー実況で有名な松木氏をナマで見るのは初めてかもしれない。

そして今泉氏。私は30年前の早稲田ラグビーをよく覚えている。今泉選手のキックのルーチンのときの「いーち、にー、さーん」という会場からのコール、昭和のラグビー人気を象徴をする1シーンではなかったろうか。

 

そして試合観戦。立ち見。前に立ってる人が3列くらい、でも隙間からスクリーンは見ることが出来て、部分的には頭で隠れたりするが、観戦は十分楽しめた。

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写真が全然うまく撮れないが、試合開始から

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試合終了まで。

 

日本も強くなったが、南アフリカを見るとこんなに屈強なチームがあるのかと感嘆すらした。特に9番のデクラーク、素人目にもすごかったですね。

 

というわけで、ひとりパブリックビューイングを終えた。

行く前に若干危惧したが、ひとりだから浮くということは全然なかった。1人で来てる人も多かった。べつに隣の人とハイタッチをするわけではないが、大勢で盛り上がる体験は出来た。

イギリス人 (ウェールズ人、北イングランド人、あと数人) のグループの近くにいたが、彼らが近くの日本人女性に話しかけて女性たちはうまく応じてたし、彼らに話しかける日本人 (女性も男性も) もちらほらいて、みんな英語がうまい。この Fanzone の司会をしていた女性もバイリンガルなのか日英交互で話していた。日本人は英語が出来なくて英語教育がだめとよく言われるが、実際は出来る人はかなりいるのではなかろうか。そんなこともふと思ったイベントだった。私はどうしても英語に関心が向く。

 

ラグビーについては、大会中のこの興奮は今後鎮静化するだろうが、多くの人が今回ルールやどんなスポーツかを理解したわけで、今後も興味が持続し、それが日本ラグビーの力を支え続けることになればいいなと本当に思う。

 

floraは植物分布、動物は? 鳥は? 魚は?

英語の時間です。

flora という単語があります。植物は場所により生息する種類が異なりますが、flora はある地域に生息している植物の種類を表します。「植物相」というのが適切な訳語のようです。植物相には時間的な区分もあり、ある時期に生息した植物の種類を表すこともあります。

Atlas of Japanese Flora  は「日本植物分布図譜」という本の英語タイトルですが、日本のどの地域にどのような植物が生息しているかをまとめた本ということになります。

この単語はやや専門的な感じもしますが、一般の文脈でもときどき見かけ、中級レベル以上の英語学習者なら知っていてもいい単語と私は思います。

なお flora は細菌の種類に対して用いられることもあり、bacterial flora、 日本語では「腸内フローラ」あるいは「腸内細菌叢」として、健康に関する文脈でよく耳にします。

 

さて植物相は flora、では動物相、つまり動物の地域や時期による種類を表す単語は何でしょうか? 答えは fauna ですね。flora が flower と関連した単語だとはわかりますが、fauna の語源は何でしょうか。ローマ神話の豊饒と大地の女神ファウヌスに由来、とのことです。
動物相 - Wikipedia

個人的には flora よりは出会う機会が少ないかなと思う単語ですが、対になる語なので、植物相 flora、動物相 fauna と覚えておいて損はないと思います (得することもないかもしれませんが…)。

 

植物は flora 動物は fauna。では鳥はどうでしょうか。鳥類相は avifauna になります。鳥を表す接頭辞 avi- + 動物相 fauna ですね。

鳥を表す avi- で始まる単語にはときどき出会い、よく見かけるのは avian flu 鳥インフルエンザ、aviator 飛行士 でしょうか。

 

さてさて、それでは魚ではどうでしょうか。魚類相は ichthyofauna、魚を表す接頭辞 ichthyo- + fauna です。ちなみに ichthyo- の発音は /ɪkθɪə/ (イクシオ) です。

 

というわけでここまでのまとめです。

植物相 flora、動物相 fauna、鳥類相 avifauna、魚類相 ichthyofauna

 

さらに補足します。

鳥を表す接頭辞には avi- の他に ornitho- があります。鳥類学は ornithology、鳥類学者は ornithologist。

魚を表す接頭辞は先ほどの ichthyo- があり、魚類学は ichthyology、魚類学者は ichthyologist ですが、 魚を表す接頭辞にはこの他に pisci- があります。piscine は魚の という意味の形容詞。またこの形で一番よく見かける単語は Pisces でしょう。12星座の1つ「魚座 (うお座)」で、雑誌などでよく見かけますね。ちなみに発音は piscine は /ˈpɪsaɪn/  (サイン) ですが、Pisces は /ˈpaɪsiːz/ (イシーズ) です。

実は avi- (鳥) と pisci- (魚) はラテン語由来、ornitho- (鳥) と ichthyo- (魚) はギリシア語由来です。

すると先に、鳥類相 avifauna、魚類相 ichthyofauna と書きましたが、avifauna はラテン語由来の接頭辞なのに ichthyofauna はギリシア語由来接頭辞で、ちぐはぐな感じがします。また fauna 自体ラテン語由来なので、ichthyofauna はその点でもちぐはぐです。

実は魚類相には piscifauna という単語も存在します。ただしあれこれ検索してみると、どうやら piscifauna よりも ichthyofauna のほうがよく使われているようです。なぜ ichthyofauna がよく使われるかなどの事情は私にはわかりません。専門の方に聞いてみたいところです。

表にするとこうなります。

  ラテン語由来   ギリシア語由来  
鳥    avi- avian
aviator
avifauna
ornitho- ornithology
ornithologist
魚    pisci- piscine
Pisces
ichthyo- ichthyology
ichthyologist
ichthyofauna

 

いかがでしたか。flora という比較的よく見かける単語から始まり、調べていくと英単語の世界が広がっておもしろいですね。

最後に ichthyo- を使った文を1つ。

Sakana-kun is a famous Japanese ichthyologist. さかなクンは有名な日本人魚類学者です。

 

ググって調べてすぐにわかることをダラダラ書くのは気が引けますので、最後を「いかがでしたか」ブログ風にまとめてみたのでした。

 

マニアフェスタに行きました

9月末の週末、マニアフェスタvol.3に行ってきた。

maniafesta.jp

マニアとは、見えてる人たち。庭先のゴムホースだったり、道に落ちてる手袋だったり。あるのに見えなかった、なにげなく通りすぎていたものに美しさやおもしろさ、呪いを感じている人たち。

マニアフェスタはそんな視点を、グッズに、本に、イベントにいろんな方法で表現する祭典です。幅広いジャンルのマニアや研究者、専門店が約120組勢揃い!

ここに来たあなたは、もう、いままでどおりには歩けない。素通りできない。そう、あなたも、もう見ている人なのだから……!!

 

なかなかの盛況だった。土日開催で片方の日だけの出展もあるため両日訪れた。

1つ1つ興味深い。多くの出展者の方にお話しを伺った。もっとも、自分では多くの人と話したつもりだったが、あとで数えたら120余の出展者のうちの10人ほどだった。普段の買い物でお店の人とお話することなどほとんどしない私だから、少しの会話が膨大なものに感じられたのだろう。。。

 

そもそもこのイベントは、はてなブログかとみさんの記事で知った。

oni-gawara.hatenablog.com

対象への独特の温かい観察と記述が楽しく癒される。みはしのあんみつの同人誌というか思いのたけを綴った冊子を出展されている。私自身、もう5、6年前だろうか、みはしのあんみつを食したことはある。でもあのあんみつに、こんな無限の広がりがあるとは思い至らなかった。

お話して、ついマニアフェスタについての本音を口にしてしまった。

「この催しは安心しますね。」

つまり、私たちは世間体や人目を気にして、自分の興味にまっすぐ向かっていけないことが往々にある。しかしこのフェスタの出展者であるマニアたちは、自らの道を突き進んでいる。人は世の中のどんなモノにどんな角度から興味を持ってもいい、それを追求していい。マニアフェスタに来てそう教えられる。好奇心が解放される。

そんな趣旨だったが、言葉が足りずわかりにくい私の発言を、かとみさんには理解していただけたようだった。同人誌を購入しました。

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出展者リストを眺めていて、よく見てみたいと思っていたのは、囲碁アーティストの関さんの出展。関さんはアマ6段、全国大会や県大会の優勝歴もあり、囲碁サロンで指導もされている。こんな棋力の方とお話出来る機会はなかなかない。

ご本人サイト 

sekishoichi15.wixsite.com

碁盤に碁石を並べ囲碁アートを作られている。ポイントは、碁石囲碁のルールに従って置かれていること。すなわち囲碁では自分の石の周りを相手の石に囲まれると取られてしまうが、そうならないように置かれている。

また碁石QRコードも作成されている。QRコードは黒と白で作られるわけで原理的には碁石でも可能なのだろう。しかし作成したQRコードはやはり囲碁のルールに従い、相手の石を完全に囲んではおらず、またいい勝負になっているそうだ。すごくね?  缶バッジとして販売しており、万年級位者の私は棋力向上を願い、「学業成就」というテキストが表示される缶バッジを購入。

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さらに囲碁の計算機なるものを作られている。これは指定した番号のところに石を2か所置き、例えば1番と3番のところに石を置き、囲碁として手を進め地合い計算すると、足し算なら1+3=4目差という結果になるというもの (雑すぎてやや正確さを欠く説明)。これは全く実用的な計算機ではないと言えるが、凝りに凝っており、つまりこれぞマニアといえる作品だ。

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私は一通り読んだが、最後の乗算で一部変化が追い切れなかった。また今度お会い出来たら聞いてみよう。

 

他のマニアの方々からもいろいろお話を伺ったり他の人が話しているのを聞いたりしたが、旅関係の読み物で購入したものが多かった。

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マニアフェスタ、また機会があれば覗いてみたい。

 

出来事 2019年10月

10月9日(水) 吉野彰氏ノーベル化学賞受賞

明るく物腰柔らかなお人柄に心打たれる。

 

10月12日(土) 大型で非常に強い台風19号が東日本襲来

横浜の一人住まいのアパートと名古屋の空き家の実家のどちらに居るべきかと迷ったのも、食料飲料を確保しLEDライトなども手元に用意したのも、初めてだった。幸いにして名古屋の風雨はそれほどではなく、横浜も自分の周囲は特に被害はなかった。

 

10月13日(日) ラグビーW杯 日本はスコットランドを破り初の決勝トーナメント進出(ベスト8)

ひとりテレビ観戦。勝った。感涙。

私たちつまり今50代より上の世代は、昭和のラグビーブームをよく知っている。今W杯を解説している人たちが活躍していた頃をよく知っている。あの頃ラグビーは人気だった。大学対抗を、社会人対抗を、日本選手権をテレビであるいは競技場でみんな観た。しかし世界には歯が立たなかった。その後人気は低迷した。宿沢、上田、平尾という日本を率いたラガーマンが若くして逝った。4年前のW杯で南アフリカに勝利した。日本のラグビーにまた注目が集まった。しかしベスト8進出はできなかった。今回、アイルランド、フィジースコットランドに勝利。実力を証明した。そしてベスト8進出。長い道だったが、ついに突破した。本当にすばらしい。今のラグビーは見てておもしろい。日本人も体ががっちりして当たり負けしない。そしてプレーにキレとスピートがある。次の南ア戦も撃破を。

 

ブログの更新がよく滞りますが、こんな具合に、世間を騒がせる出来事に心を動かされながらどうにか過ごしております。

 

59歳

先月59歳になった。こっそりとブログ・サブタイトルを「コミュ障59歳独身男(結婚歴なし)の存在していた記録」に直しておいた。

ひとりで居ると年を取る感覚がない。人は人と交流して成長していく。交流がないと子供のままだ。ひとりは苦しい。でも長年ずっとそうだから変わりがない。体も年を取る。ただ急に目立って動けなくなっているわけではない。幸い大病も患っていない。だから老いている感覚が乏しい。

しかし来年は60歳だ。還暦、干支が一巡してまたスタート位置に戻るらしい。1つの生が終わるのだ。大袈裟だが、何事も引き延ばして何も実行しない癖のある私にとっては、一度終わって再スタートというのはよい考えだ。意識的に満60歳誕生日が1つの区切りだという考えを採用している。なんだか1、2年前から自分の人生は2020年で一度終わるという緊張感がある。

自分の生まれ変わりはさておいても、50代と60代の違いは大きい。60代、押しも押されぬじじいである。今でこそ年金受取りは65歳から、またいろいろなシニアサービスも65歳からのものが多いが、60歳以上対象のものもある。そういう年齢なのだ。

何も為さず人との交わりも乏しく年老いるのは悲しい。50代のうちにやっておきたいことがまだまだある。今の1日1日を大切にしていきたい。

 

ボリスとドナルドの英語講座

前記事で引用したボリス・ジョンソン英首相とドナルド・トランプ米大統領の会話切り取り動画

www.bbc.com

 

この中の we're not counting our chickens 「捕らぬタヌキの皮算用をしない」については前記事に書いた。

hidsgo.hatenablog.com

 

 

2人の会話の1分半ほどの短い動画には、この他にも勉強になる英語表現が詰まっている。

 

(1) come

but I think he's gonna make great progress come October, come November

トランプ「10月、11月になったらボリスは大いに前進するだろう」

 

come October という場合の come。「(時が)来ると」という意味だ。こちらの英和では 2a に用例が挙がっている。

comeの意味 - goo辞書 英和和英

仮定法現在と説明されることが多いが、前置詞としている辞典もある。

Come | Definition of Come by Lexico

学習者として大切なことは文法上の解釈よりもこのような用法があると知っておくこと。私自身は come のこの用法を見たのは初めてではないが前は文章で見たように思う。話し言葉でしかも大統領のような有名人が普通に使っているのを聞いて、なるほどこうやって使われるんだと納得した次第。

 

(2) another day

Trump: It's just another day in the office.

Johnson: It's tomorrow is another day in Paliament, that's what he meant.

トランプ「官邸はいつもと変わらぬ日だよ」

ジョンソン「国会では明日はよくなると彼は言ってるんだ」

 

It's just another day in the office. この場合の just another day は、いつもと変わらぬ日、の意味。just another で辞書にも載っている。

just anotherの意味 - goo辞書 英和和英

 

トランプ大統領の just another day を受けてジョンソン首相は、 another day を含む別の表現を持ち出す。Tomorrow is another day. 明日は別の日、(今日は悪かったが) 明日はきっとよくなる、明日は明日の風が吹く、という意味で用いられる表現だ。

しかも単に同じ言葉の別表現を持ち出すというだけでなく、トランプ大統領の just another day in the office を受けて、in Parliament (劣勢かつ最高裁からも自分の運営が否定された) 国会では tomorrow is another day 明日はよくなる、と自分の実際の状況に合わせて使っている。

さすが弁が立つボリス・ジョンソン、笑いを誘ううまい返しである。(首相としての力量はわからず、弁「は」立つ、と言っておくのがよいかもしれない。)

 

(3) 0-for-seven 

we were 0-for-seven with the Supreme Court.

トランプ「我々は最高裁で7戦0勝だった」

0-for-seven は、7のうちゼロ、つまり7戦0勝、7連敗ということ。

注意したいのは zero-for-seven と書いているが、トランプ大統領が話しているように、 0 (zero) はアルファベットの O (オゥ) のように読む。

Cf. https://www.italki.com/question/435469

in US English we usually read "0 for 7" as "oh for seven," not "zero for seven." In US English it is very common to read the digit 0, zero, as if it were the letter O, oh.

 

(4) run the table

since then we've almost run the table, we've won a lot of decisions,

トランプ「それ以来我々はほとんど勝っている。たくさん勝訴してきた。」

run the table はスポーツである期間全勝することを意味する。またこのトランプ氏の発言のようにスポーツ以外でも、負け知らずの意味で使われる。

元々はビリヤードで相手に手番を渡すことなく、ブレークからすべてのボールをポケットに入れることに由来している。

Glossary of cue sports terms - Wikipedia

トランプ氏は run the table という表現をよく口にするのかもしれない。選挙関連で、すべての選挙に勝つという意味で使っている記事がいくつか見つかる。

Donald Trump says he wants to 'run the table' and win primaries in EVERY early state | Daily Mail Online

 

以上、短い動画の中に勉強になる表現が満載だった。

 

捕らぬタヌキの皮算用 count your chickens

今週ニュースサイト (読売新聞) に次のような見出しの記事が載った。

トランプ氏に励まされても…英首相「捕らぬタヌキの皮算用しない」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190925-OYT1T50195/
(記事はもうすぐ消えるだろう)

 

英国ジョンソン首相が決めた10月中旬までの議会閉会について、英国最高裁は違法で無効という判決を出した。ニューヨークでジョンソン氏と会談した米国トランプ大統領は、「私は最初は裁判で負けが続いたがやがて勝訴するようになった。あなた (ジョンソン氏) もそうなるだろう」とジョンソン氏を励ました。その励ましに対しジョンソン氏が「捕らぬタヌキの皮算用はしない。裁判所の判断は尊重する」と答えたというものだ。

 

この記事というか見出しを見てすぐに思った。「捕らぬタヌキの皮算用」って英語では何て言ったの? (Brexitはどうなるのかとかボリス・ジョンソンは首相としてどうなのかよりもそこが気になる...)

 

BBCサイトを見てみると該当する会話の動画がすぐに見つかった。有難いことにテキスト付きだ。

www.bbc.com

 

捕らぬタヌキの皮算用はしない、はこの動画の1分16秒に現れる。

 

"we are not counting our chickens"

 

この表現は英語の以下の諺に由来する。
Don't count your chickens before they are hatched.
卵がかえる前にニワトリの数を数えるな

英和辞典にも載っている。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/chicken/#ej-15242

hatchには「卵をかえす」という他動詞と「卵がかえる」の自動詞の両方の用法があるため、他動詞受動態 の they are hatched ではなく自動詞 they hatch として

Don't count your chickens before they hatch.

とも言う。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/don-t-count-your-chickens-before-they-hatch

 

卵が全部ちゃんと孵化するかもわからないうちからニワトリが何羽得られるか勘定するな。捕らぬタヌキの皮算用をするなと、ぴったり意味が一致しますね。

 

よく知られている諺であるため、英語では before they are hatched が省略され count one's chickens だけで「都合のよい勘定をする」という意味で使われることも多いようだ。

ジョンソン氏の発言も全部書けば以下のようになっている。

"Well, we're not counting our chickens and we're full of respect, as I say, to the justices of our Supreme Court."

(トランプ氏は自分が指名した最高裁判事が就任してからは勝訴するようになったが) 我々は先の都合のよいことは考えず、最高裁の判断を最大限尊重する

 

not counting our chickens だけで「捕らぬタヌキの皮算用はしない」の意味として使用している。ただし日本語では「捕らぬ」を付けるのが一般的なので、訳すときは「捕らぬ」を付けたほうがいいですね。

 

ということで、英語のよくある言い回しを訳した日本語記事の見出しから、英語表現を1つ覚えました!