hidsgo’s diary

57歳独身男(結婚暦なし)の存在していた記録

新形式問題集感想 (2)

以下の問題集について、具体的にコメントすることにする。

CD2枚+DL付 新形式対応 TOEIC(R)TEST 完全予想模試

CD2枚+DL付 新形式対応 TOEIC(R)TEST 完全予想模試

 

監修の神崎氏はTOEIC関連著作が何冊もある有名TOEIC講師であり、私も氏の公開試験後のネットラジオを聞き、どんな質問やコメントにも正面から向き合いすぐさまアドバイスを与える神崎氏をすごいなと思っていた。三修社はドイツ語中心の語学出版社で、私も三修社のドイツ語辞書と関連書籍を数冊持っている。信頼している講師と出版社による対策本ということで期待して購入したのだが、内容の粗雑さに驚いた。よくこれを売りに出したものだと思えるレベルだった。

以下のような問題があるが、具体的に下のほうで記す。

(1) 校正がされてない
(2) 正解が不明な問題がある
(3) 問題の作り方が粗い
(4) 話題がTOEICにそぐわない

出版社は早急にCDのエラー、編集ミス、誤植、誤訳の類いを修正した改訂版を出すべきだろう。できれば正解が曖昧な問題について、はっきりした解説を付けてほしい。現行のTOEICに出ない話題の問題を作成することは著者や出版社の方針もあろうから、そのような問題を作ってみたということを明示して販売してみてはどうだろうか。現在の版では、売れれば売れるほど関係者や版元の信用を落とすことになるのではなかろうか。


 

以下それぞれの項目について、具体例など。ネタバレあり。
* 収録されている「模試1回目」「模試2回目」を単に「1回目」「2回目」と表記する。

(1) 校正がされてない

よほど締め切りに追われドタバタで出版したのだろう、ミスが多い。一部解答に影響する。

  • 1回目 Q89-91: 重複録音。次の問題と思って聞いていたら前問と同じで、あれあれ何だ?と模試を中断することになる。

  • 1回目 Q63: 選択肢(B) は"Order 30 sandwiches with meat" だが、解説では "Order 50 sandwiches with meat" になっている。50人分のうち菜食主義者用が20人分なので肉入りは30人分で、問題の選択肢が正しい (だから解答には影響しない)。

  • 1回目 Q84: 音声は男性だが選択肢は she になっている。

  • 1回目 Q149: 2:43のメッセージについて質問とあるが、2:43は別メッセージで、正しくは2:44のメッセージ。

  • その他、問題文中の編集ミス、リスニングの書き下し (スクリプト) が音声と異なる箇所、和訳が変な箇所を見つけた。スクリプトや和訳は全部は見ていない。2回目 Q196-200 のイギリスの新聞社 "Rondon Times" の Rondonは意図的に作った名前で、Londonのタイプミスではないことを祈る。

(2) 正解が不明な問題がある

  • 2回目 Q55: マイクが昼食後新聞を自分用に一部買いに行くと言い、女性Bが彼女の分も買ってくれるよう頼んでいる。質問 "What will Mike most likely do later today?" に対し選択肢は
    (B) Buy copies of newspaper
    (D) Go to a newsstand
    普通に考えると、マイクは売店に行き(D) 新聞を2部買う(B) から、この2個が正解になってしまう。解説は正解を(D) としているが、マイクは女性Bの発言を無視するのだろうか。
  • 2回目 Q190: "What will most likely happen at 10 A.M. On Friday?" 選択肢(A)(B)(D) は明らかに事実と異なる。(C) "Jeff Reardon will see L-Y Chang." については、Jeffは歯科を受診する可能性はあるが、他の曜日や金曜午後の可能性もあり、(C)が 金曜午前10時に most likely に起こることとはいえない。解説では正解は (C)で、和訳は「...に会えるでしょう」になっている。"will see" と「会えるでしょう」は異なる。「会える」の "can see" で、"Jeff Reardon can see L-Y Chang." だったら正解だろう。

以上2つは答えられない問題。根拠が曖昧な問題もある。1つ取り上げる。

  • 1回目 Q172: 一日30km進んだ旅の手段。解説は「most likelyが設問に入っている時は、はっきり記載されていないけれど、そうであろうと予測できる部分を探します。」として、"My feet are sore and my back hurts." とあるから(A)「徒歩」を正解にしている。しかし(D)「自転車」を完全に排除できないのではなかろうか。自転車では30kmで両足が痛むことは less likely ということなのだろうか。

(3) 問題の作り方が粗い

  • 簡単な足し算引き算を含め計算問題が多すぎる。1回目Q196のように3桁の数字4個を足すことは、英語の読解力とは関係ないだろう。
  • 2回目 Q167-168、Q171-172: それぞれ質問表と明細の内容は見なくても注意書きなどを読めば答えられる。このようにこの問題集ではテキスト全部を注意深く読まなくても、まず質問を読んで該当部分を探して読めば答えられる問題が多かった。
  • 2回目 Q182: 質問は「次の誕生日にJimは何歳になるか」だが、問題文のbirthday cardの冒頭に "Dear Jim, Happy 23rd birthday!"とあり年齢は明白。解説によると文中で22歳の思い出に触れていて紛らわしいとあるが、紛らわしいとは思わないし、仮に紛らわしいため今年何歳になったか読み取る力を試すにしても、来年の年齢を質問する意図は何なのだろう? 子供だましの引っかけではないか。
  • 2回目 Q196-200: DPでは通常はクロス問題 (2文書両方を参照して答える問題) が出題されるが、この問題はどの質問も片方の文書だけで答えられる。

(4) 話題がTOEICにそぐわない

  • 徹底的な批判やネガティブコメント (1回目 Q196-200、2回目 Q191- 195) はTOEICには出題されないと思う。また日本あるいは日本人を主題にした問題 (1回目 Q131-134、2回目 Q161-163、Q173-175) がTOEICに出題されることもないだろう。ビジネスシーンが基本で、出会い系広告 (2回目 Q176-180) は海外ではネット以前から新聞・雑誌に普通に見られるものの、出題されないと思う。
  • 新形式ではチャットやテキストメッセージなどからも出題されるが、真摯な言動に基づいたTOEICの出題傾向は今後も継続するだろう。従ってあまりにもカジュアルなコメントは出題されないと思う。2回目 Q160-163 の英語の発音が苦手な日本人に向かって "I understand nearly 10% of what you say, usually." というジョークや、2回目 Q186-189で、歯科が月曜休診だったことに対し "it's closed! On a weekday! What are they doing, playing golf? No, that's doctors, isn't it?" といったコメントがTOEICに現れることはないと思う。

 


以上、やや細かく指摘してみた。他にリスニングで凝りすぎて難しいと思った問題や、Part 5で日本の学校英語の文法問題みたいなのがあったが、不適切というほどではなく挙げなかった。

TOEICの問題作りは難しい。

 

追記:

追加記事を書きました。
新形式問題集感想 (3) - hidsgo’s diary