独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

NHK杯囲碁トーナメント 2023年4月 ~ 新セット

2023年度のNHK杯囲碁トーナメントが先週の日曜から始まった (*)。仲邑菫女流棋聖が初参戦など今回も目が離せない。囲碁もさることながら、スタジオセットが変わると予告されていたので、どうなるか楽しみだった。
(*) 先週の番組について2週目番組直前に投稿

番組オープニングの対局室。全体に明るくなった印象。(過去のセット画像を含む記事リンクをこの記事末尾に。) 対局者は、読み上げ・時計係とともに、1段上がったステージで対局となる。

対局中画像。

手前の「NHK杯テレビ囲碁トーナメント」の文字があしらわれたピンクのパネルは手前に広がっているが、番組後に司会の星合さんが斜めから見た画像をツイートに入れていて、全体の構造がはっきりした。手前に傾斜して台形型をしている。

 

星合さんのツイートにもあるが、大きく変わったのはタッチパネル (電子ホワイトボードと呼んでいた) の採用だ。変化図も番号つきでタッチで示すことができ、お絵描きもできる。これは対局の始めのほうで、お試しも兼ねてタッチパネルを使っているところ。楽しそう。

マスク着用とアクリルパネルもなくなるかと思ったが、対局者はマスクをしている。もしかしたら政府のマスク規制緩和、そしてそれに従い日本棋院も規制を緩和した3月13日以前の収録かもしれないが、自主的あるいはNHKの方針かもしれない。大盤で司会者と解説者の間のアクリル板はなくならなかった。これも規制緩和前収録かもしれないが、マスクなしで向き合って話すため、やはり必要と判断されたのかもしれない。

細かい変更では、対局盤面を見ながら解説者が解説しているとき、石の位置が赤丸で示されることがある。下図では12の八。どの位置を解説しているのかわかりにくいと番組スタッフが判断した場合、編集で加えているのだろう。

実はこのような細かい仕様の変更は、今までもアナウンスなくちょくちょく行われてはいる。

対局後には勝者へのミニインタビュー。以前は「今日の一手」があったが、しばらく局後の対局者コメントはなかった。対局者の感想を聞きたいという声があったのだろうか、復活である。

というわけで新年度トーナメントがスタートしたのだった。

 

参考までにこの3年ほどのスタジオセット。以下の記事に画像が含まれている。

昨年度決勝戦 (2022年3月)

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2020年コロナ対策前後

hidsgo.hatenablog.com

 

NHK杯囲碁トーナメント2023年3月19日 ~ 2022年度決勝

今年度の第70回NHK囲碁トーナメントは、3月19日に決勝戦を終えた。いつものように遅ればせながら (遅れすぎだ…)、簡単にメモ。

今回の決勝戦は、一力棋聖NHK杯と関天元の対戦。一力棋聖は3連覇がかかっており、関天元が勝てば初優勝となる。解説は井山本因坊。司会はいつもの星合三段。

対局は大激戦となった。今年度の対局で一番の激戦ではなかったろうか。とは言え具体的に石がどのように絡み合って大激戦なのかを説明する術は自分にはなく、ひたすら「大激戦だった」と述べるしかない… AI評価値では中盤で白の関天元が90%有利となったが、黒の一力棋聖は盛り返し、終盤では1手ごとに評価値が大きく揺れる場面も多く、かなり細かいらしいことが見て取れた。結局300手を越える大熱戦の末、関天元が半目勝ちし初NHK杯を獲得した。NHKでは圧倒的な力を見せる一力棋聖は三連覇ならずということで終わった。

 

対局中の両者。マスク規制緩和前の収録なのでマスクをしている。今はマスクはしなくてもよい。

 

このブログのNHK杯記事では、囲碁の内容よりも、周辺のおもしろエピソードを記録しているが、今回はシチョウを並べる本因坊。若手が伸びて来ているとはいえ、今もトップ争いに君臨する井山本因坊 (正式には本因坊文裕と呼ぶべきか) が長いシチョウを並べていき、司会の星合さんはただ見ているだけという図。ほっしーこと星合さんも「すみません、ほんとにもう、文裕本因坊にシチョウを並べさせて」と述べて、おかしかった。

シチョウは黒がいいですね。

たまにしかNHK杯を見ない人からは、なぜアシスタントは見ているだけで手を動かさないのかなどと思われてしまいそうだが、実は司会と解説者の間はアクリル板で仕切られ、星合さんは石を並べられない。コロナ仕様。個人的には、ぱっと見で気づきにくい垂直さでアクリル板が置かれているのがすごいと思う。

シチョウといえば、準決勝第2局でも解説の羽根九段がシチョウを並べる場面が3回あった。プロ棋士ならひと目でわかるであろうが、井山本因坊も羽根九段も丁寧に並べてくださった。決して面倒とは思っていないだろう。とかく「これはこうですね」と説明して、見ている人たちも「そうなのだろう」で済ませてしまいがちではある。しかし、どんな分野でもそうなのだが、何となくわかった感じはしているが実はよくわかっていないことを、具体的に手順を示して理解するということは、とても大事なことではある。

 

番組は対局のあと表彰式が行われ、来年度の番組について特に説明もなく終わった。司会は誰になるのだろうと思っていたら、星合さんがツイートした。

なんと来年度もほっしー。これは予想しなかった。司会者は3年交代で続いており、前の長島梢恵三段が4年継続、さすがに星合さんも4年務めたので交代だと思っていた。5年目とは。まあ司会者として安心して見ていられるということもあるだろうし、セットが大きく変わるようなので、番組に慣れている人にまずは担当してもらうということもあるのかもしれない。

そう、ツイートにもあるがセットが変わり、タッチパネルになるらしい。これはいろいろ変わりますね。検討図を並べるのは楽そう。シチョウも^^

 

実は講座番組「囲碁フォーカス」もタッチパネルになる。いつもはトーナメントの前に見るが、決勝戦の日は高校野球のため月曜深夜に時間が変更されたため、NHKプラスで後日見てわかった。来年度の番組紹介でタッチパネルも登場していた。

タッチパネル、マスクなし対局、アクリル板もなくなるだろうか。かなりの仕様変更になりそう。

来年度、楽しみですね。

 

仲邑菫 女流棋聖

出来事が起こった時にすぐに記事を書けないため、事後に出来事の記録としての記事となる。

2月6日(月)、囲碁女流棋聖戦で仲邑菫三段が上野愛紗美女流棋聖を破りタイトルを獲得した。13歳11か月でのタイトル獲得は、男女を通じ最年少記録となった。日本囲碁界にとって画期的な出来事だった。

www3.nhk.or.jp

仲邑菫ちゃんは10歳で特別枠採用でプロ棋士となった。実力は認められ将来を期待されての特別枠だった。本人も中学生でタイトルと取りたいと言っていた。とは言え、すぐにタイトルが取れたわけではなく、3度目の女流タイトル挑戦で獲得を果たした。本人にとっても大きな自信となる業績なのは言うまでもない。

この成功は当人にとどまらない。日本囲碁界は低迷している。中国・韓国になかなか勝てない。しかし菫ちゃんの活躍は棋士を刺激し、囲碁界全体の実力向上に寄与するだろう。そうなってほしい。

また日本では囲碁人口の減少が言われて久しい。薫ちゃんの活躍により、より多くの人、特に子供たちが囲碁に興味を持ち、囲碁界が活気づいてほしい。

 

NHKがこの女流棋聖戦を密着取材していた。

www.nhk.jp

 

囲碁というゲームについて、対局者がいかに囲碁と自分に向き合っているか、そして囲碁を取り巻く状況について、うまくまとめた番組になっていた。どうやらディレクターの小学校低学年の娘さんが最近囲碁を始め、なぜ囲碁なのか取材を始めたということらしい。現在の囲碁を取り巻く状況をよく説明している。

www.nhk.jp

 

この記事でも述べられているが、今の囲碁の世界は10年前とは大きく異なる。AI囲碁の登場により打つ手と勉強法が一変した。もはや偉い人の言うことに黙った追従するという時代ではなくなった。

アルファ碁の登場は7年前。

hidsgo.hatenablog.com

 

囲碁は格子模様の板 (碁盤)と黒石、白石だけを用い、シンプルなルールに基づいて、戦略と読みを戦わせるゲームだ。老若男女、世界中に愛好者がいる。しかしまだまだ「おじいさんのするゲーム」というイメージを持っている人が多い。そのイメージを壊すことが、起死回生の一歩ではないかと思う。菫ちゃんをはじめとして、年若い棋士や女性棋士の活躍が多くの人の心をとらえ、イメージが変わるきっかけになればよいし、そんな時がいつか来るのではないかと思う。

 

NHK囲碁トーナメント 2023年1月8日 ~ 初手天元

2023年が明け囲碁界も年明けイベントが催され、先週は棋聖戦開幕。囲碁カレンダーも動き回っている。先週のNHK囲碁トーナメントでは特筆すべきことが起こったので記録しておく。

第70回NHK杯囲碁トーナメント3回戦第五局、林漢傑八段vs山下敬吾九段。

黒番の林八段、初手天元

カンカン先生、やりましたね。NHK杯では山下九段が毎回趣向を凝らした布石を繰り出している。

hidsgo.hatenablog.com

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今回も山下九段がどんな布石にするかが注目ポイントだったが、その機先を制する意図だろうか。機先を制すれば棋戦を制す、なんてね。

解説の大橋七段も対戦前のコメントで、「山下九段がおもしろ布石を見せて、林八段がそれに対しどのような作戦に出るかが最初の見どころ」と述べていたところで、いきなりの初手天元。司会の星合三段も「おーっ」と声を上げ、「一手目は油断してましたね」と大橋七段と話すこととなった。

白の山下九段は続いて5の五、黒は次いでその下に入るという、おもしろい形からこの碁は始まった。

碁は白優勢で続き一時はAIによる勝率90%近くまでいったが、中盤過ぎから林八段がうまく打ち回したようで黒が逆転、最終的に黒の一目半勝ちとなった。

 

この1月8日の放送では昨年から1つ変更点があった。昨年まではAIの予想手は左上に座標で表示されていた。今回から小さな盤上に表示されることになった。座標は慣れればわかるかもしれないが、盤で見た方がわかりやすい。

NHK杯は毎回面白いことが起こるが (というかどの囲碁対局もドラマはあるが)、これは特別なサプライズだったので、1週間遅れながらここに記録しておく。

 

11月下旬 高尾山

今日は大晦日。これは11月下旬に高尾山に登った話。紅葉とか。なぜ今? 正直に言えば単にその時さっと記事に出来なかっただけだが、今年の重要な出来事として記録しておく意味がある。

そう、高尾山登山は今年達成した一番の出来事だと思う。実はずっと高尾山に登りたかった。10年以上横浜に住み、その間に高い山では富士山や穂高に登り、他にも丹沢とかちょくちょく山登りした。しかし人気の高尾山には登ったことがなかった。しかも30年前に5年間八王子に住んでいたが、高尾山に行かなかった。関東に住むのもこの先長くないかもしれない、そんなことで高尾山に登ろうとずっと考えていた。今年こそはと思いつつ相変わらずぐずぐずし、やっと紅葉も終わる11月下旬になって今行くしかないと登って来たのだった。横浜から八王子は近いようで横浜線で1時間、ちょっと時間かかるのよね。

 

11月下旬、高尾山の紅葉はほぼ終わっていたが、一部の木々に鮮やかな色が残っていた。

登山口の紅葉。

1号路を登り、薬王院へ。1号路は人が多く、途中お店はどこも行列。お寺の参拝も行列。

良縁祈願。

お寺を過ぎて山頂へ。

高尾山は標高599m。それなりに高い山。気軽に登れるからと軽々しい気持ちで行くと、結構しんどいことがわかる。「高尾山舐めてた」という言葉が周りからも聞こえてくる。山頂手前。

山頂は人がいっぱいだった。天気はよく富士山が見えた。

奥高尾、もみじ台まで足を伸ばす。

下山は、5号路→3号路→6号路のルート。

登りの1号路は人が多かったが、こちらの登山道は人はまばら。普通の山の登山道という感じ。ときどきすれ違う人と挨拶したり。こんな道を歩くのは気持ちいい。

無事下山し、お土産に「高尾山せんべい」を買う。

念願の高尾山登山を終えることが出来て、うれしかった。旅行は好きだし、PCやスマホを見続ける生活から離れて山歩きするのは、とてもいい。これからも時々出かけたい。

打ち上げ (1人打ち上げ) は八王子駅前で。八王子を最後に訪れたのは仕事で7年前くらいだろうか。駅前の変遷などを眺める。駅前のパブ「Sherlock Holmes」でギネスと軽食。

 

ということで、とある晩秋の一日の念願達成の記録でした。

1年が経つのは本当に早い。小さなことを少しづつでも積み上げていけるといいですね。

 

NHK囲碁トーナメント 2022年12月4日 ~ 新婚さん

先週のNHK囲碁トーナメントは記念回だった。司会はいつもの星合志保三段 (ほっしー)、そして解説は孫喆七段。今年結婚したお二人だ。

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つまり今回は新婚さんの司会と解説だった。これは今までなかっただろう。司会の女性棋士の旦那さんが対局者で、その場合に司会女性が交代したことはあった気がする。しかし夫婦による司会・解説はなかったと思うし、ましてや新婚は今後もないのでは。そういう意味で記念回だった。

 

星合さんはいつもtwitterで対局を告知するが、今回は解説者にも注意を向けていた。

見る側としてはどんな展開になるか、結婚について何か話すのか、夫婦漫談するのか、ちょっとどきどきしながら番組を待ったのだった。

 

番組はいつもの挨拶で始まり、解説者の紹介。

「解説は孫喆七段です。どうぞよろしくお願いいたします。」

ここでいつもなら解説者に対局の展望を聞くところだが、今回は星合さんが言葉を続けた。 

「ちょっとこのコンビでやるのも不思議な感じがしますが  (*^_^*)」

結局のところ、番組を通じて夫婦に関連する発言というのは、この言葉だけだった。結婚を知らない視聴者からすると、何が「不思議な感じ」なのかわからなかったろうが、定型のあいさつ部分なので気にせずやり過ごしてしまったかもしれない。夫婦と知っている視聴者は、ふふふと思って見たことだろう。

 

対局は、芝野名人 vs 関天元。タイトル保持者同士による好カード。NHKが孫さんを解説者に選んだのは、対局者と親交がありAIにも詳しいトップ棋士対局の解説も大丈夫な人としてであって、夫婦ネタを狙ったわけではないのだろう。

孫さんは期待どおり、ややゆっくりめの話し方で言い淀みもなく、手の意味をとてもわかりやすく解説する。星合さんもいつものように視聴者目線で質問し解説のフォローを入れる。いつもの解説、聞き手のやり取りだ。いつものやり取りのはずだが、今回は仲睦まじさが溢れているように感じられて仕方なかった。「新婚さんいらっしゃい」はこの時間の裏番組だが、今回はEテレで新婚さんいらっしゃいだった。まあこちらがそういう目線で見たからではあるが。

対局は関天元がうまく打ち回し、芝野名人に中押し勝ちした。盤面もさる事ながら、孫さんのわかりやすい解説と、大盤を挟んで司会者と解説者の暖かくなごやかな雰囲気が印象に残る回だった。

 

星合さんはスタジオでの記念撮影も公開した。

この写真がすべてを物語っているのではなかろうか。

 

不正なクランベリーソース

こちらの記事にあった表現

www.cnn.co.jp

空港の荷物検査では日々、違法な銃器から不正なクランベリーソースまであらゆる物が発見されている。

スーツケースに閉じ込められてしまった猫が、空港のX線検査装置で発見されて無事だったという話だが、はてなブックマークでちょっとだけ話題になった。

[B! 猫] スーツケースに閉じ込められた猫、空港の保安検査で発見 米NY

 

「不正なクランベリーソース」とは一体何か、と思ってしまう。この場合は、機内持ち込み液体量の上限100mLを越えたクランベリーソースのことですね。クランベリーソースは液体扱いで、100 mLを越えて機内に持ち込むことは出来ない。普通のクランベリーソースの瓶は100mLを越えているだろうから、機内食のパンのためかお土産品でバッグにクランベリーソースを入れていると違反になってしまう。ジャム、はちみつも同様。飲み物は検査前に飲んだり、化粧品は小分けにするかもしれないが、ジャムとかうっかりしそうで、ちょくちょく見つかるのかもしれない。

 

もちろん他の不正、例えば覚醒剤入りクランベリーソースとかもあるかもしれない。ただ該当の文では違法な銃器との対比で用いられており、軽微な持ち込み違反の例と解釈できる。補足すれば 以下のようになる。

空港の荷物検査では日々、[重大な違反である]違法な銃器から[軽微ではあるが]不正なクランベリーソースまであらゆる物が発見されている

 

もちろんそんなことはわかった上で、不正なクランベリーソースとは何ぞや、という大喜利を楽しんでいることも承知しています。

 

ちなみに英語記事はこちら。

edition.cnn.com

不正なクランベリーソースは illicit cranberry sauce。

illicit 法律違反の、許可されていない。il = not, licit は licence も同じ語源で to be allowed, be lawful。