今日の単語
quixotic /kwɪkˈsɒtɪk/
ドンキホーテ的な、非現実的に理想主義の、空想的な、騎士気取りの
ぱっと見た目、なんだこの単語は、と思ったけれど、Don Quixote (ドン・キホーテ) 由来の形容詞ということで納得。
読み方がややこしい。
/kwɪkˈsɒtɪk/
発音記号の記事を書いたばかりだが、あえてカタカナで書くと
クイクソティック (ソの部分に強勢)
つまり元々はスペイン語の Quixote という人名から形容詞 quixotic を作り、英語読みしてる。
ここで疑問が浮かぶ。では Don Quixote は英語でどう読むのか。
よく知られているように、日本語の場合、外人名は基本的に現地語読みを採用する。例外は漢字表記の中国と韓国・北朝鮮人名を日本語読みすることだったが、韓国・北朝鮮人名については10年くらい前(?) から現地語読みを取り入れるようになりました。
英語の場合のルールを私は実は把握できていない。英語圏に居たうちに調査しておけばよかったのだが。英語読みしているものと現地語読みしているものと、両方あると思うがどうなのだろう。Michael Schumacher (ミハエル・シューマッハー)は マイケル・シューマッカーだし、作曲家の Bach (バッハ) はバークだけど、Chopin 、Mozart は ショパン、モーツァルトだ。
今は聞いて回るネイティブが身近にいないので、ネット検索に頼る。
Don Quixote。
ネットで見た範囲をまとめると、米語では ドン キホゥティ、英語(イギリス語)では、ドン キホゥティ と ドン クイクソ(ゥ)ト の両方がある(カタカナご免 ><; 発音記号で書くなら /dɒn kiːˈhəʊti/ と /dɒn ˈkwɪksə(ʊ)t/)。
主なソースはこのスレ。話題が逸れたりしてるけど。
https://www.englishforums.com/English/PronouncingDonQuixote/wxhzd/post.htm
辞書サイトでは、Merriam-Webster が 米語 ドン キホゥティ、chiefly Britishとして ドン クイクソト としてることも根拠に。Oxfordなどは併記。
Don Quixote | Definition of Don Quixote by Merriam-Webster
Don Quixote - definition of Don Quixote in English from the Oxford dictionary
再び quixotic に戻り、この単語は クイクソティック と読むということで、上記の englishforums でもほぼ合意が出来ている。
wiktionary の quixotic から引用する。
Although the term is derived from the name of the character Don Quixote, the letters qu and x are both read as is usual for English spelling (/kw/ and /ks/). In "Don Quixote", by contrast, the pronunciation more closely resembles the modern Spanish (/k/ and /h~x/).
https://en.wiktionary.org/wiki/quixotic
つまり、quixotic は Don Quixote 由来だけど、qu と x は英語読みして /kw/ と /ks/ (クイクソティック)。でも Don Quixote の中では qu と x はスペイン語に似た発音で /k/ と /h~x/ (Quixote は キホーテ)。注: /x/は喉の奥から「はー」と息を吐くときの息の音。
wiktionaryの後半には、ただしイギリス語では Don Quixote に ドン クイクソ(ゥ)ト の読みもあり、と追加しておくのがいいだろう。
BBC Radio 4 のこのプログラムでは、冒頭の番組紹介の1分18秒の間に、イギリス人司会者が ドン クイクソゥト と3回言うのを聞くことが出来る。
BBC Radio 4 - In Our Time, Don Quixote
2月11日: 1箇所訂正と最後のBBC Radio 4 追記。