独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

なおみ節は魅力

先週末グランドスラム2大会連続優勝という偉業を達成し、テニス女子世界ランキング1位となった大坂なおみ。今さら私が言うまでもないが、インタビューの受け応えが魅力的だ。

普段はあまりしゃべらないし人前で話すことは得意ではないと彼女自身言ってはいるけれど、あいまいに答えたり紋切型の答えをするわけではなく、素直に自分の言葉で自身について語る。時には記者に逆に質問したり、ジョークやユーモラスな答えで返したり。魅力的な「なおみ節」で語られる言葉はこちらの心にも響き、トップアスリートとしての重みがあり、また英語の勉強にもなる。

 

1月26日(土)、全豪オープン優勝当日の試合後の記者会見。


Naomi Osaka press conference (F) | Australian Open 2019

動画で大体はわかるがところどころ聞き取れないという向きは、以下のサイトのトランスクリプトが役に立つ (完全に逐語的に書き起こしてるわけではなく、言い淀みや言い直しなどはまとめている部分もある)。

www.asapsports.com

このインタビューについての日本の記事としては、例えばこの読売新聞記事。

www.yomiuri.co.jp

この記事で取り上げている内容の他に、会見では第2セットから第3セットへの気持ちの切り替えについて、また第3セットは自分を空のようにしてロボットのように練習してきたことを実行したこと、などを述べている。

私が印象に残ったのは、前回優勝したことにより注目が集まる中で20年ぶりとなる2大会連続優勝をどうして成し遂げられたかという質問に対する答え。

I just focus on tennis. Like, for me, when I play my match, everything else is completely not in my mind anymore.

あたり前の答えのようだが、強い、こうやって偉業を達成した。

見逃せない情報として、全豪オープンを通じて彼女がイヤホンで聞いていた曲をこの会見で明かしている。ジェイ・ロック (Jay Rock) のウィン (Win)。

 

会見を見ていると、彼女自身もメディアには慣れたと言っているとはいえ、同じような内容の質問が繰り返されても、ひねくれた質問がなされても、丁寧に答えている。すべて答えるという意味ではなくて答えられないことは言わない。大変だろうけど、すごいなぁ大人だなぁと思う。

 


ところで、上の読売新聞の記事だが、優勝翌日27日(日)午前の見出しは「私の涙は見ていないでしょう」だった。その時の記事は以下のように引用していた。

― 第2セットを落として、落ち込んでいたか。

「私の涙は見ていないでしょう」

この部分の意味がわからず、おそらく和訳のせいだろうと思ってソースを探すと、彼女は "Did you not see my tears?" と言ったのだった。

「あなたは(質問した記者は)私の涙を見なかったですか (泣いてたでしょ)?」と答えたわけで、だからやはり記事が変だった。そう思ってたら、その日の午後に記事は差し替えられて、当該部分は削除されていた。訳し方もあるけれど、このインタビューでここをメインにしてタイトルにしたのはおかしいからね。

 


日本の報道機関の誤訳といえば、別のインタビューでの日清のCMについてのコメントが話題になった。

www.buzzfeed.com

これは1月24日の全豪オープン準決勝、カロリナ・プリスコバ戦に勝ったあとの記者会見だった。


Naomi Osaka press conference (SF) | Australian Open 2019

ちなみにトランスクリプトはこちら

www.asapsports.com

この会見はこの誤訳が大きく話題になったけれど、全体を聞くと実はなおみ節が炸裂していて、やはりおもしろい会見だとわかる。

 

21歳で世界1位となった彼女の今後は、ちょっと想像つきませんね。