- commensal
- 【名】(片利)共生生物
- 【形】(片利)共生生物の
語源がおもしろいと思った。com- は「共に」の意味の接頭語、mensal ラテン語の mensa 「テーブル」由来。食卓を共に / 食事を共に、ということ。
mensa といえば、あの高IQ団体の「MENSA」が思い浮かぶが、その名前の由来はまさしくラテン語の mensa「テーブル」だった。
「メンサ」とはラテン語で「テーブル」を意味し、円卓を囲むメンバーが皆平等に集まる様子を表わしています。 その人の人種、皮膚の色、宗教的信条、国籍、年齢、政治、学歴や社会的なバックグラウンドは無関係です。 すべての会員は平等な権利と義務を持っています。
おそらくMENSAの名前の由来は前にも調べた (検索した) ことはあったろうが、覚えてなかった。
しかし commensal が「食卓を共に」で「共生生物」というのは印象が強いため、これで commensal と mensa という言葉を覚えるだろう。
なお、共生にはいくつかの形態がある、らしい。
- mutualism 相利共生 : お互いにとって利益
- commensalism 片利共生 : 片方は利益を得るが、もう片方は利益でも不利益でもない
- amensalism 片害共生 : 片方は害を被るが、もう片方は利益でも不利益でもない
- parasitism 寄生 : 片方は利益、もう片方は不利益
食卓を共有するの意味の commensalism が、なぜ「片利」共生なのかという点は、wiki の中のこのような1文で示唆されている。
Commensalism - Wikipedia, the free encyclopedia
Originally, the term was used to describe the use of waste food by second animals, like the carcass eaters that follow hunting animals, but wait until they have finished their meal.
元々は、ある動物の獲物の食べ残しを別の動物が頂くことについて使用していたとのこと。
なおwikiを引用することからもわかるように、私は今検索してこれらの言葉を知ったのであって、共生の生物学を知っていたわけではない。
そもそも何で commensal という単語に出会ったかというと、以下の発見がマスコミで報道されていたから (マスコミ ニュースサイトの記事は消えてしまうのでソースは別から)。
人の鼻の細菌が抗菌作用がある化合物をつくっていたーMRSAに効果 | Chem-Station (ケムステ)
発表されたNature論文はこちらだが、タイトルは
"Human commensals producing a novel antibiotic impair pathogen colonization"
その commensal がわからなくて調べたということ。
ちなみにNature Japanによる和訳タイトルは「新規の抗生物質を産生して病原菌の定着を妨げるヒト共生細菌」。
人間にとっては毒ではなく利益もわからなかったから片利共生なのだろうが、有効な抗生物質を作ってくれてるとなると、相利共生になるのだろうか。
以上、google と wiki で知ったか記事をしたためた。