独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

女子チームには負けるわけにはいかない

何か言えばセクハラ・差別と指摘されるこの時代である。言いたいことが言えないという声もあるが、悪いことではない。昭和の時代には見過ごされがちだった問題がきちんと指摘され議論されるのは、社会が前進している証拠だろう。

私自身は過激な発言はしないタイプで、意識的に差別をすることもない。それでも知らず知らずのうちに偏見に基づいた見方・発言をしてしまうかもしれない。そんなアンコンシャスバイアスに気づかされた貴重な経験がある。

25年ほど前のこと、連れとビリヤードをすることになった。私たちは男性2人、女性2人で、男性チームと女性チームに分かれてゲームを始めた。私は「女子チームには負けるわけにはいかないな」と言った。軽く調子のよさそうなことを言ったくらいの意識だった。しかし、この発言に対して女性の一人が問いかけた。「どうして女子チームに負けるわけにはいかないの?」彼女の問いは正鵠を射て、私は目からうろこが落ちる気がした。

男性が女性に負けてはいけない理由はない。そもそも男女で分けて勝敗を考えることに意味があるのだろうか。私の発言は、男性は女性より優れているべきだという社会的に植えつけられた偏見から発せられたものだった。

彼女は普段から身の回りのいろいろなことに意見を言う人だったが、その時は笑顔で、私を非難する意図はなかった。しかし、彼女の一言は、私に日常会話に隠れたバイアスに気づかせるきっかけとなった。

この出来事により自分の意識も少し高まった気がする。無意識のバイアスを意識し、自分の言動により気をつけるようになった。小さな出来事だったが、今でもよい教訓として心に残り、差別発言が話題になるたびに思い出される出来事である。