hidsgo’s diary

57歳独身男(結婚暦なし)の存在していた記録

Kazuo Ishiguro "The Buried Giant" ~ 疲れたょ

Kazuo Ishiguro著 "The Buried Giant" を読んだ。ペーパーバック版を購入したのは、まだ夏の初め、今から5ヶ月くらい前のことである。洋書売り場のある本屋を訪れたらこの本が並べられていて、Kazuo Ishiguro の新作が出たことを知った。Kazuo Ishiguro の本は "The Unconsoled" 以外はみな読んでいたので(英語で)、"The Buried Giant" を見たときに、お、出たか、と思い、すぐ購入した。345ページあるが字は大きめで特に長編というわけでもないと思われた。

The Buried Giant

The Buried Giant

 

買ってから読了まで5ヶ月くらいかかった。半分くらい読み進むまでに2回くらい頓挫して、それぞれ1-2ヶ月くらい放置していた。もう放棄してもよかったろうが、最低何が書いてあるかを知るために、斜め読みでいいから最後まで読んでみることにした。ちなみに私は日本語でも英語でも読むのは遅い。

"The Buried Giant" の感想は、その頓挫した事実が物語っている。まず話の起伏がなく単調で、何が書いてあるかわからない状況が続いた。日本語でも英語でも、小説特に長編小説は最初はとっつきにくくても10ページも進むと話に引き込まれて、次どうなるんだろうと思ってページを繰って進んでいくことが多いが、そういうことがなかった。

また、英語が今普通に使われている英語ではなく、読みづらくわかりにくかった。頓挫の原因は話の単調さよりこの英語の要因が大きいと思う。おそらく古語や旧い文体を取り入れて書かれているのだろうが、自分は英語ネイティブではなく英文学の素養もなく、何がどう旧いのかもわからない。ひたすら読みづらく、ぶつ切りで変な文に見えた。日本語なら古文っぽく書いてあれば古文っぽさを出してるなとか、その趣がわかるだろう。この本の場合それがわからなくて苦痛だった。私が英語の本を読むのは、動機の半分以上は英語学習のためで、このような変則的な英語は教育的でもなく、その意味でも読む気が挫かれた。

以下、文学とか小説とか所詮理解できず、英語学習のためにペーパーバックを読んでる私の、内容のわかっていないであろう読後メモ。ネタバレ含む。

Axl と Beatrice という老夫婦が息子に会うために旅に出る。サクソン人が出てきてアーサー王にも言及されて、歴史上のある時点を想定してるのだろうが、ogres や pixies などが登場して何のことやらとなるが、つまりこの物語はファンタジーなのだ。信頼し合っている夫婦に見えるが、過去の記憶はあいまいになっており、she-dragon がもたらす mist が原因だと知らされる。She-dragon を倒す目的の兵士と出会い、she-dragon が倒され mist が晴れるとどうなるであろうか、という感じで進んでいくのだが、英語は読みにくく何がどうなっているか把握しきれなかったと思う。

残り40ページくらいになったところで、Axlアーサー王の騎士だったという Gawain という男に向かって突然「おまえは she-dragon の protector だろ」と言って、工エエェェ(´д`)ェェエエ工 となってしまった。ちゃんとわかって読んでいる人は Gawain が she-dragon の protector ということは察しがついていたのだろうか。私は何もわかっておらず、すっかり驚いてしまった。そこから話は動いていく。夫婦の息子の状況も最後のほうで読者に知らされる。そしていろいろ解釈のありそうな、別の言い方をすればよくわからない最後へ続いていく。

おそらく、最後まで読んで全体が見えてから、もう一度意味を考えながら読み直すのがいいのかもしれない。でもそうする気力はありません。。

いくつか気づいた細かいこと。途中あまりにだらだら(私にはそう感じられた)文章が続くので、Axl の回想場面(手元のペーパーバックでは227ページ)で、"Edra, she later told me was her name." と回想に出てくる女性の名が記され、次のページにまた、-- Edra, she later told me was her name -- と同じことを記述するのはミスじゃないかと思えてしまった。そんなことはないのだろうが、繰り返す意味は何だろう。記憶のあいまいさを出すためなのか?

Edwin という少年が少女を回想する場面。"... and then the devil's horn would grow between his legs." という描写。おいおい devil's horn って何だよって思ったが、やはり devil なのか。キリスト教だから?

読み疲れた。

Kazuo Ishiguro の作品では、"The Remains of the Day" のように、お茶を飲んで和菓子を食べてしみじみ味わうっていう感じのが好きだった。そういう見方からすると "Never let me go" はSFで、ちょっと違う感がした。ただ "Never let me go" の英語はすごく読みやすかった。"The Buried Giant" は内容も英語も難しい。少なくとも英語については、どのように変則的になっているのかわかる人でなければ、馴染むのは難しいのではないだろうか。

追記データ
 出版: 2015年3月
 邦訳:「忘れられた巨人」2015年5月