独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

Bridget Jones's Baby 「ブリジット ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」を観た (1)

映画「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、原題「Bridget Jones's Baby」を観た。一応ブリジットとロンドンはよく知っていると自認する私としては、観ておかなくてはと思い、そそくさと映画館へ足を運んだ。上映が終わった頃にやっと記事を書く。

bridget-jones.jp

なおこの記事は、おっさんが俺はこんなことを知っていてこんなことに気がついたぞと独り語りする記事であり、この映画はこんな映画でここが見どころよと多くの人に向けて紹介する記事ではないことを、最初に断っておく。


目次
1. 前置き
2. 感想
3. 単語

以下、次記事
4. ロケーション
5. 音楽


1. 前置き

ブリジット・シリーズ映画の3作目。もともとヘレン・フィールディング (Helen Fielding) の日記風ベストセラー小説を映画化したものだが、映画の1作目と2作目は、小説の1作目と2作目の内容を映画化したものだった。今回の3作目映画はしかし、3作目小説とは内容は全く異なっている。ヘレンが新聞に連載していた内容に基づいているらしい (1)。

私は最初に小説1作目を原著で読み、大変気に入ったので2作目も英語で楽しみ、そして3作目「Briget Jones: Mad about the Boy」は2年前に読んだ。

hidsgo.hatenablog.com

実は映画は1作目は観たのだが2作目は観ていない。理由ははっきり覚えていないが、原作本が映画化されたときにありがちだが、原作のさまざまなエピソードが割愛されたり、本だから楽しめる細やかな機微が失われたりということがあったのかもしれない。また私の場合、英語のペーパーバックを読む動機の大部分は英語の勉強で (その点ブリジット・シリーズはイギリス英語満載で大変おもしろい)、恋愛ストーリーの展開はどちらかというと2の次だから、本のほうがおもしろかったということもあったろう。

今回映画を観ることにしたのは、小説とは話が異なるから内容を見てみるためでもあるし、またブログネタになるからでもある。あと主演のレネ・ゼルウィガー (Renée Zellweger) がこの数年、整形劣化だかなんだか変な噂が飛び交っていたから、どうなっているか気になっていた。

 

2. 感想

とてもおもしろかった。内容は盛りだくさん、笑いあり、ドキドキあり、涙あり。予想以上に大いに楽しめた。以上です。

いや、もう少し。私的に特に良かったと思ったのは、言葉が豊富ということだった。日常会話、スラング、下ネタ。下ネタも直接的な言葉もあるが、遠回しに言う言い回しが話をおもしろくしていたし、ゲイの人が自分の養子を「babyではなくgaybyかな」と言う言葉遊びがあったり。さらにマークが弁護士風フォーマル表現で回りくどく言ったりとか、さまざまな言葉・表現が溢れていたのが身に染みた。

英語について、私は9割くらいは聞き取れていたと思うが、一番おいしいところは聞き取れない1割のところにあるものだ。transcriptが手に入り単語を正確に把握しながらもう一度観ることが出来れば、すごく英語の勉強になるんだがなあと思う。字幕は字数制限があるから全部を訳してないし、日本人にわかりやすくするため、言ったとおりには訳してないし。

英語の話ばかりだな。恋バナについては、実は私は男女が出会ってベッドへというシーンは、身と心が痛む。自分はそういう関係を持てなかったから。この3,4年も、身を焦がして思い詰めたがやはりそうはならなかったという関係のために、苦しみ悶え続けた、私の人生はその繰り返しだった。でもだからからこの映画の最後は、ブリジットよかったねと、涙がぼろぼろ溢れてくるのであった。

レネ。特に変わりなかった。整形とかの噂を聞いてなければ、特に何も気にしなかったろう。ちなみに彼女は2010年からこの映画のロケが始まった2015年まで女優活動を休止していて、その間は自分の時間を楽しんだとテレビで述べている (2)。

ところで日本語タイトルは「最後のモテ期」だが、このシリーズはまだ続くのではなかろうか。ダニエルは生きていたし。本の3作目「Briget Jones: Mad about the Boy」の記事でも書いたが、むしろ今後も続いてほしい。年をとっていくブリジットも見てみたい。

 

3. 単語

気になった単語とか、こんな単語知ってるぞとか、調べてわかった単語とか。

glamping

グランピング、日本語にもなっている。glamourous + camping。リア充のアウトドア。音楽フェスの場面で使われていて、映画を観てたときは、音楽フェスは明らかに Glastonbury Festivalを想定しているから、Glastonbury + camping が glamping なのかと思って見てたが (映画ではGlastonburyとは言ってなかったが)、あとで思い出した、グランピング、日本でもテレビで特集したりしてた。というわけで、俺はGlastonburyを知ってるぞと言いたかった (行ったことはない)。

shag

私の一番好きなイギリス英語。こちらの記事で説明した。

hidsgo.hatenablog.com

この映画ではあまり使われず、1回出てきたくらいだろうか。

MILF

こういう流行語 (MILFはもう旧い?) も大いに取り入れられてブリジット・シリーズは作られる。

amniocentesis 羊水穿刺

この映画はブリジットの懐妊がテーマなので (解任もされるが ← うまい! と自画自賛)、妊娠関連用語が多く登場する。その方面で、映画を観ていたときはわからず、なんとなく覚えていた語感を頼りにあとから調べて知った語がこれだった。

ブリジットの羊水検査をすべく、エマ・トンプソン女医が長い注射針を手にして言った言葉。リスクはゼロではないと知ってブリジットは逃げ出し、父親判定は出産後に持ち越されることになった。

amnio- が羊膜 (amnion) を意味する接頭語、centesis が、針を刺すこと。

ちなみに、羊水は amniotic fluid。でも破水をwater breakと呼ぶように、羊水も日常会話では単に water と呼ぶのだろう。

geriatric mother

ブリジットは geriatric mother、高齢出産する母親、なのである。geriatric は本来は「老年の」とか「高齢者の」という形容詞、老いについて使うイメージがある。だからエマ・トンプソン女医に geriatric と言われたブリジットは、えっ、generic? と一瞬ひるむ (そんな描写があったように思う)。どのくらいの頻度で使われる表現かわからないが、いわゆる高齢出産者を geriatric motherと呼ぶことがあるようだ。もっとも日本語でも高齢者と高齢出産で同じ高齢という単語を使用しているから、同じといえば同じではあるが。

ちなみに作者のヘレンは、43歳で第一子を48歳で第二子を出産している (3)(4)。私が英国滞在していた2000年頃、当時のブレア首相の夫人シェリー・ブレアが45歳で懐妊したことが報道され、随分と話題になった (5)。

Ottolenghi オトレンギ

ジャックがブリジットのフラットをふらっと (あ、いやなんでもない) 訪ねて、プレゼントを渡すシーン。字幕も単にカタカナで何のことかわからず、帰宅後に調べて知った。ロンドンの有名デリカテッセンなのね。organic sweetsとかあるから妊婦にいいわけだ。なるほど。

www.ottolenghi.co.uk

最後にこれ

smug

リア充連中のsmugな様子を見る側から、最後についに「ちょっとsmugでもいいかもね」と呟いたブリジットだった。

 

次記事へ続く


(1) Bridget Jones's Baby - Wikipedia
(2) Renee Zellweger 'enjoyed anonymity' during career break - BBC News
(3) BBC NEWS | Entertainment | Bridget Jones author gives birth
(4) BBC NEWS | Entertainment | Bridget Jones author gives birth
(5) BBC News | UK | Blairs' surprise over baby