独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

人生はシネマチック(2)

上映中の「人生はシネマチック!」(原題 Their Finest) を観た。

jinsei-cinema.jp

日本公開前に一度飛行機の中で観たが、ノイズでセリフがほとんど聞こえず、映画館で観て復習しておきたかった。

hidsgo.hatenablog.com

以下だらだら書いてたら長くなったので、目次をつける。


目次
1. 映画
2. 英語
3. Gemma


              

1. 映画

映画館ではさすがに音声明瞭、また字幕にも助けられて前よりずっとよく理解できた。前記事に一部誤りがあったので訂正を入れた。

この映画は会話が多くやや長め。それは英語学習が映画を観る目的の1つの私にとっては嬉しい。普通のイギリス英語で、特に癖のある発音とか早口ということはないと思うが、全部きちんと聞き取るのは難しかった。私の英語力の問題でもあるし、日本語でも会話が長いと私が追いついていかないという私の理解力の問題でもあろう。

全体に流れが軽い印象で、劇中劇を観ているようだった。映画はダンケルクを題材にしたプロパガンダ映画を作成する話だが、主人公カトリン・コール (Catrin Cole) と脚本家たちがプロパガンダ映画のプロットを考えるとき、最初に主な出来事をボードに貼り付けて、その間を繋ぐセリフをタイプライターで打ち込んでいくという作業をしていた。この映画自体も、成功、トラブル、裏切り、死、恋愛、友情などの要素を散りばめ、それを紡いでいった感じで、軽く楽しむための映画だろう。要素を盛り込みすぎの感もあるが。

関係ないが、主な出来事を最初に考えその間を言葉で繋いでいくというのは、映画製作に限らず、文章を書くときも有効だなと思った。

 

              

2. 英語

最近は映画を観るとき、ブログネタになるような英語はないかと意識して聞いてしまう。この映画は引用したいセリフがいくつかあったが、映画館を出たら忘れてしまった。また自分が勉強になるはずの英語は、本当は自分がよく聞き取れなかったところにあるのだが。

聞き取れた短い英語を採り上げてみる。

 

Life is precarious. 明日のことはわからない

precarious「不安定な、当てにならない、状況による」はときどき出会う単語だが、覚えにくい。相手の意思や希望に依り自分の思ったとおりにはならない、というのが元々の意味のようで、そこから広く解釈され、物がしっかり固定されてなく落下しそうなど単に不安定な状態を指す場合にも使われる。なお、この単語の pre- は before の意味ではない。

Precarious Is Not "Before Carious" | Merriam-Webster

blimey これは驚いた

イギリス英語。驚いたときの表現。以前こちらの記事に少し書いた。

映画ではダンケルクに取り残されている膨大な数の兵士を見た人がこの言葉を発した。字幕では「くそっ」となっていたが、blimey 自体は罵り言葉ではなく、驚きの表現。おそらく2文字か3文字の日本語字幕にしなければならず、文脈から「(こんなに居るのか)くそっ」になったのだろう。

 

              

3. Gemma

私が飛行機でこの映画を選んだのは、特に見たい映画がなくて、イギリス映画で女優が綺麗そうだったから。(女優の見た目で映画を選ぶのか? はい。) その主演ジェマ・アータートン (Gemma Arterton)。以前007のボンドガールに選ばれている。私は007シリーズは初期作品以外ほとんど観たが、彼女が出演した「007慰めの報酬」(Quantum of Solace) は見ておらず、彼女について知らなかった。

前回記事を書いたとき彼女について知ろうと検索したところ、彼女は生まれた時は左右の手の指が6本ある多指症 (polydactyly) だったと知る。

ジェマ・アータートン - Wikipedia

同じ頃たまたま読んだ読売新聞ヨミドクターに、多指症の赤ちゃんに直面した親の苦悩が綴られていた。

腹壁破裂で生まれて来た赤ちゃん : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

 

彼女や彼女の家族も大変な苦悩を乗り越えてきたのだろうか。

もちろんいろいろ苦労はあったろうが、彼女の場合は比較的軽症で、分娩を担当した医者が6本目の指というか突起を糸で縛ることで指は自然と取れ (骨は形成されていない)、傷跡が少し残っただけらしい。また彼女の父と祖父も多指症だったとのこと。さらに彼女は耳も奇形で、手術で直している。彼女の家系には器官形成に関わる遺伝子に何らかの変異があるのかもしれない。多指症は、程度はいろいろだが1000人に1人くらいの確率で現れ、40-50%は遺伝的要因らしい。

私は今回この件を知ったが、2008年に彼女がボンドガールに選ばれたときに、彼女が自ら語った多指症について随分報道されたようだ。それはこの病気の啓蒙に役立ち、また「指が多くあればメールをもっと早く打てるしギターもうまく演奏できる」と冗談で述べる彼女の活躍は、患者を勇気づけることが期待される。

以上ジェマ・アータートンについて検索したことを書いたまでで、結婚も子育ても無縁で人生を終えそうな私が、障害児の命の大切さや生きる勇気などをここで語るつもりではないので念のため。

ジェマと多指症については以下を参照した。

(1) 'I was born with six fingers on each hand' reveals Bond Girl Gemma Arterton in startling interview | Daily Mail Online

(2) Bond girl Gemma Arterton was born with 6 fingers - NY Daily News