独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

ロンドンの十字型ビル

少し前に北海道大学学生寮、恵迪寮が話題になった。

togetter.com

6つの棟が中央部から放射状に広がる構造が特徴的で、ミステリー作品が生まれそうとか、北大の研究で知られる雪の結晶に見えるなどの反響があった。

Googleマップで見た恵迪寮 (スクリーンショット)。きれいに6つの棟がきれいに放射状に広がっている。

私は10数年前に北海道マラソンで北大を訪れたことがある。キャンパス内を走り抜けるコースの下見を兼ねてキャンパス内を少し散策したが、寮は離れた場所にあり、存在に気づくことはなかった。

 

放射状の建築物の例としては、冒頭のtogetterにもあるように、刑務所が挙げられる。例えば網走監獄は5つの方向に広がっていた。

Googleマップ スクリーンショット

 

放射状の建物と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのは、ロンドンにある Cruciform Building (クルーシフォーム・ビルディング) だ。Cruciformは「十字型の」という意味で (cruc- = cross 十字、 form 形)、「十字型ビル」と形状がそのままビルの名前になっている。

Google mapのスクリーンショットとリンク。十字そのものだ。

https://goo.gl/maps/RQ44d1GwHGAFSMTP6

Cruciform Building はもともと病院 (University College Hospital) で、開院は1906年と古い。しかし1995年に閉院し、その後改修を経て、現在は通りの向かいにある大学 (UCL; University College London) の研究施設として利用されている。なお病院は、近くに新築されたビルに移転した。

www.ucl.ac.uk

放射状の建物は中央部での管理がしやすく、また感染症が発生した際の隔離も比較的容易だろう。上のリンク先記事では、病棟間のスペースが日光と新鮮な空気がもたらし、患者の健康に寄与するメリットが述べられている。

Cruciform Building はロンドン中心部、ユーストン駅の少し南、大英博物館から北に約800mの場所に位置している。上から見ると4方向に延びたきれいな十字が見えるが、通りからは十字型の形状を認識するのは少し難しいかもしれない。

自分は20年前にこの建物で行われた研究発表会を傍聴したことがある。ちょうどイラク戦争が勃発した頃で、世界中の人々が戦争反対の声を上げており、イギリスではブレア首相の方針に反対して閣僚が辞任するということもあった。この時のセミナーで、ある日本人研究者が発表に先立ち、研究者もこの問題に声を上げるべきではないかと数分演説したのをよく覚えている。

 

話が逸れてしまったが、放射状建築物あれこれ。北大恵迪寮は6方向、網走監獄は5方向、そして私が思い出すロンドンのCruciform Buildingは十字型に4方向に延びているという話でした。