独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

ブログタイトル変更しました

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旧: hidsgo's diary

新: 全力ひとり

 

11月1日は「ぼっちの日」だから、というのはウソです。「ぼっちの日」ではありません。とはいえ、11月11日は中国では独身の日らしいですが、「11」「11」なら2人連れ2組の感じです。11月1日は、1日の「1」に寂しさと親近感を感じます。「ぼっちの日」らしいですね。いえ、「ぼっちの日」ではありません。

 

最近記事も自分も活力がなく(活力があった時はあったのだろうか)、息絶え絶え感が強かったので、変えてみました。

 

内容は変わりません。基本ひとりごとです。

 

では。

 

swansong

今日の英語

swansong  最後の作品、最後の舞台、最後の試合など

 

芸術家や作家の最後の公演や作品、スポーツ選手の最後の試合つまり引退試合などのことを、swan song、「白鳥の歌」と呼ぶらしい。Oxford Dictionaryには swansong と1語になっているので、swansongと1語で書くことにする。

swansong | Definition of swansong in English by Oxford Dictionaries

The final performance or activity of a person's career.

 

白鳥が死に際に歌を歌うという古い言い伝えに依るそうだが、実際に歌うかどうかは別にして、美しい表現だね。

 

この表現に出会ったのは今日仕事中に読んだこちらの記事。

Japan's tennis star Kimiko Date on her comeback career - BBC News

BBCの「100 Women 2017」に選ばれたテニスの伊達公子さんについて。世界ランク4位まで登り詰めたが、25歳で引退。テニスから遠ざかりたかった、と。しかし結婚し解説者として活躍しているうちに再びテニスへの情熱を抱き、37歳で現役復帰。そして怪我とさらに妊活と戦いながら、数々の年長記録を書き換える活躍を遂げ、今年9月に47歳で引退するまで10年間のswansong を彼女は楽しんだ。

> her biggest achievement was to come out of retirement at the age of 37 to enjoy a 10-year swansong that only ended in September

 

彼女の自分に忠実で前向きな姿勢が伝わる、短いながら良い記事だった。

 

collapse はプスっと倒れる

「倒れる」という意味の collapse という単語。collapse コラプス なのか collaspe コラスプ なのか迷うことがよくあり、collaspe と間違うことも多かった。そこで昔、もう軽く30年以上前だが、「プスッと倒れる」と覚えることにした。何か空気が詰まって立っている物から空気がプスッと抜けて倒れてしまう、そんなイメージ。倒れるの形容でプスッはへんかもしれないが、少なくとも普段の日本語で「プスッ」という言い方はあるが、「スプッ」はないので、collapse = プスッと倒れるが正しいとはっきり覚えることができ、間違うことはなくなった。collaspe とスプがつい出てくることも多いが、これは違うと認識できる。

 

紛らわしい単語について、自分なりに区別する覚え方を人それぞれ持っているのではなかろうか。

 

collapse は、col- がtogether「一緒に」を意味し、lapse は「滑る、転ぶ」の意味の語を語源としているらしいが、lapse を持つ以下の単語でも、このプススプ問題は起こる。

 

elapse 時間が経過する

lapse 期間、時の推移、

 

collapse のような基本単語ではないが、どちらも特に難しい単語ではなく、たまに出会うし自分で使うこともある。elapse を elaspe、lapse をlaspe と言ってしまいそうになるが、スプじゃなくてプス、と認識して、lapse が正しいとわかるのである。

 

先月の最終記事から今月の最初の記事まで、私のこのブログには3週間半の lapse があった、そう思ったとき、lapse? laspe? -- laspe じゃなくて lapse だよなと認識し直したので、記事にした次第。

 

from scratch

今日の英語

from scratch     最初から、ゼロから

 

何か作業をしていてそれが挫折したとき、再びスタートに戻ってゼロからやり直すときに start from scratch などと言う。それはゼロから同じ工程をやり直すという場合もあるが、ゼロに戻って新しい方法を模索しながらやり直すという場合もある。必ずしもやり直しではなくて、何かを始めるときに、今までの知識や経験、既存の方法に頼らず全くゼロから始めるという場合にも使う。

 

よく使われる表現だが、知らないと言われたときに何のことかわからないので、ぜひ身につけておきたい。

 

ゼロから始めるという意味で、前記事の tabula rasa と似ている。実際、前記事で引用したこちらの記事の動画では、learn from scratch と learn tabula rasa の両方が使われてる。

Self-taught AI is best yet at strategy game Go : Nature News & Comment

まあ前記事の tabula rasa 関連記事をあれこれ見ていて、from scratch も多く使われていたので、書き留めておこうと思った次第なのだが。

 

Scratch は引っ掻くという意味だから、何もないところに引っ掻くところから始めるという意味から生じた表現と思っていたが、どうやら scratch は地面に引いたスタートラインのことで、そこからスタートする (start from scratch) が語源のようだ。

'Start from scratch' - the meaning and origin of this phrase

 

tabula rasa

今日の英語

tabula rasa      予備知識や先入観のない白紙状態

 

ラテン語による表現(*1) 。tabula は tablet や table の語源の語で「板」。rasa は scraped とか erased とかの意味で「かき消された」。つまり tabula rasa は、文字などが消されて何も書かれていない板という意味。そのことから、予備知識や先入観のない白紙状態を表す。

 

英語としては時々使われる表現のようで、OALDにも載っている。

tabula rasa | Oxford Advanced Learner's Dictionary

辞書ページにあるように、発音は /ˌtæbjʊlə ˈrɑːzə/ (タビュラ ーザ) となる。

検索すると、哲学で使われる用語でもあるようだ。

 

何か新しい事態に向かう時、予備知識なしの tabula rasa ではまずい場合もあるだろう。一方何か習い事をするときなど、先入観や過去の経験を忘れ去れ、頭をまっさらにした tabula rasa 状態のほうがよい場合があるだろうと思う。

 

実は私は tabula rasa という表現を知らず、今週こちらのNature誌の記事を見て知った。ニュースにもなったが、一昨年来話題になった囲碁AIのAlphaGoがさらに進化豹変を遂げ、AlphaGo Zeroとなった研究開発論文だ。Nature誌は購読していないと本文は読めないが、Abstractは閲覧できる(*2)。

http://www.nature.com/nature/journal/v550/n7676/full/nature24270.html

Abstractで以下のように使用されている。和訳はNature日本語要約からの引用。

     an algorithm that learns, tabula rasa, superhuman proficiency
     「白紙」の状態から学習し超人的な上達を示すアルゴリズム

     Starting tabula rasa, our new program AlphaGo Zero achieved...
     今回の新しい「アルファ碁ゼロ」は、白紙状態から始めて、...

 

今回登場したAlphaGo Zeroは、囲碁の基本ルールを学んだだけで、人間が長年に渡り研究して作りあげた定石やプロの棋譜を一切学ばない白紙 (zero) の状態、つまり tabula rasa 状態から自己対局による自学自習だけで強くなり、トップ棋士に勝利したAlphaGo(*3) に100戦全勝したという。AlphaGoの登場も衝撃だったが、今回のAlphaGo Zeroもすごい衝撃である。AI技術の進歩という点からも、また何千年の間に人間が考え出した手法 (定石) をコンピューターが数十日で上回り、さらに人知の及ばない新しい手法を生み出したという点で。

 

Nature誌のこちらの紹介記事では、論文の筆頭著者でありAlphaGoのメイン開発者である David Silver が今回の AlphaGo Zeroについて語っている動画を見ることができる。

Self-taught AI is best yet at strategy game Go : Nature News & Comment

"tabula raza learning" の一般的な手法を開発したことの重要性を述べている。上述のように、英語発音は「タビュラ ラーザ」。

 


*1. ラテン語表記は通常斜体にするが、面倒なのでそのまま(正体?)にしておく

*2. この記事は2017年10月21日(土)深夜に投稿したが、Natureサイトはこの週末にメンテナンスを行うとのことでその間はアクセスできない。

*3.  前回のAlphaGo関連記事。

hidsgo.hatenablog.com

その後2017年5月、AlphaGoは中国のトップ棋士である柯潔を相手に3戦3勝し、AlphaGo開発者のDeepMind社 Demis Hassabis は、AlphaGoは人間との対戦から引退することを宣言していた。そして今回のAlphaGo Zeroの発表となった。

 

映画「ダンケルク」を観たあとに「人生はシネマティック!」

今話題の映画「ダンケルク」を観た。

wwws.warnerbros.co.jp

第2次世界大戦さなかの1940年、ドイツ軍に陸路での退路を断たれ、ドーバー海峡に面したフランスの港町ダンケルク (Dunkerque) に追い詰められた連合軍を、海路からイギリスへ救出する話だ。IMAX映像で自分が戦場にいるかのような臨場感を体験できる。

口コミをあれこれ見てみると、多くの人はクリストファー・ノーラン監督の他の作品を知っていて、監督のカメラワークに期待して本作品を観て評価しているようだ。が、映画を観ることが少なくなって久しい私は、ノーラン監督の作品を観たことはなかった。

私が「ダンケルク」を観たきっかけは、先日スイスからの帰国便でたまたま「Their Finest」という映画を観たからだ。戦時下イギリスで女性ライター秘書(*4)が大衆の士気高揚のためのプロパガンダ映画製作に携わることになる話だが、そのプロパガンダ映画が「ダンケルク」にまつわる話なのだ。ところが映像を見て話の流れはわかるものの、飛行機のノイズでセリフがよく聞こえなかった。最近は自分でノイズキャンセリング機能付きのイヤホンやヘッドホンを用意する人が多いらしいが、久々の長距離便で私は準備のときそれがあれば快適と気づきさえしなかった。

それで日本に戻ってから「Their Finest」をセリフを確かめながらもう一度見たいと思ったが、日本ではまだ未公開、11月に「人生はシネマティック!」というタイトルで公開されるとわかった。

jinsei-cinema.jp

私はダンケルク救出作戦については知らなくて、「Their Finest」の中でさんざんダンカーク (Dunkirk) と言っていたので、帰国後にDunkirkを検索して少し知った程度。そこで参考のためにと今公開されている「ダンケルク」を見てみた次第 (*1)。ただ映画「ダンケルク」では連合軍が追い詰められるに至った経緯の詳しい説明などはなく、短いセリフで戦況の説明はあるものの、予備知識がない向きはあらかじめwiki程度の説明にざっと目を通しておくとよいかもしれない (*2,*3)。

ちょうど「真珠湾」「ミッドウエイ海戦」「ガタルカナル」などは日本人にはよく知られていて映画も製作されてきているように、ヨーロッパ人にとってダンケルクはよく知られている出来事で、それをノーラン監督が今回改めて映像化したことに意義があるのだろう。そんなことを感じた。

人生はシネマティック!」は「ダンケルク」とは対照的に、ユーモアもロマンスもある、女性が活躍する映画だ。とはいえロンドン空襲 (Blitz) に見舞われる戦時下イギリスの話であり、すべてがハッピーエンドというわけではないけれど。ただ緊迫感と悲壮感あふれる「ダンケルク」を観たのちに「人生はシネマティック!」を観ると、背景事情も理解出来た上で、この映画の軽いストーリーを楽しめるのではなかろうか。主演のジェマ・アータートン (Gemma Arterton) も魅力である。私が映画を観るのは英語学習が目的でもあるが、「人生はシネマティック!」は会話も豊富で、映画館の明瞭な音声と日本語字幕付きで再び鑑賞することに期待している (*5)。

 


*1. 邦題は「ダンケルク」だが、原題は英語「Dunkirk」で /dʌnˈkəːk/ (敢えてカタカナで書くと) ダンカークと発音される。これは日本語では外国の地名は基本的に現地語を採用するため、現地フランス語の Dunkerque 「ダンケルク」を邦題にしたということだろう。日本語は現地語採用だが英語は英語式の発音と綴りを使用するため、フランスやドイツのよく知られている地名で、日本語のカタカナ発音と英語の発音に大きな差異が生じる例がある。Parisはパリで英語ではパリスだが、まあこれは同じ綴りで発音は異なるとはいえ似ている。しかしワインで有名なBourgogneブルゴーニュは英語ではBurgundy バーガンディ、大西洋に突き出たBretagneブルターニュは英語ではBrittanyブリタニーと、全く異なって聞こえる単語になる (以前こちらにちょっと記事を書いた)。

*2. ダンケルクの戦い - Wikipedia

*3. ダイナモ作戦 - Wikipedia

*4. 2017年11月訂正  主人公の女性はもともとはコピーライターではなく、コピーライター部署の秘書をしていたが、みんな戦争に駆り出されたので代わりに書いた漫画がプロパガンダ映画の脚本家の目に留まって採用されたのだった

*5. 追加記事を書いた