オーストラリアの話が続きます。
メルボルンで何気なくテレビを見ているときでした。ニュース番組でコメンテーターが data という単語を「ダータ」と発音しているのに気がつきました。スタジオに居る他の人たちは何事もないように聞いています。もしかしてと思い、こっそり検索してわかりました…
オーストラリアでは data は「ダータ」と発音される!
日本人は data を「デイタ」と発音しますね。そもそも日本語になっていてカタカナで「データ」です。イギリスでも発音は基本「デイタ」です。ただ、今までいろんな人の英語を聞いてきて、私も「ダータ」と発音する人がいることは気づいてました。でもその人の癖なのかなとか適当に考えていて、国による違いとかよく認識していませんでした。
オーストラリアというメジャーな英語国で、よく使われる基本単語 data の発音が他の国と異なる「ダータ」だーたとは知りませんでした。衝撃だーた…
発音記号で書けば、日本とイギリスは /ˈdeɪtə/、オーストラリアは /ˈdɑːtə/ ということです。英文で便宜的に day-ta、dah-ta と表記にしてもいいでしょう。
もちろんイギリス人全員がデイタ、オーストラリア人全員がダータと発音するわけではなく、人により違うでしょうし、文脈にもよるのでしょう。アメリカはどうなのか気になります。data をどう発音するか、data pronunciation day-ta dah-ta などのキーワードで検索すると、議論してるスレや記事が多数見つかりますが、上位に来るこのスレが参考になります。
Wiktionary の引用がありますが、私も自分でまとめてみます。
- UK, Ireland, US /ˈdeɪtə/
- US, Canada, Ireland /ˈdætə/, [ˈdæɾə]
- Australia, New Zealand, South Afria, UK formal /ˈdɑːtə/
またある人がLPD3 ("Logman Pronunciation Dictionary 3rd ed" John Wells 2008) の内容を引用して回答しています。
Preference polls
BrE:
ˈdeɪtə 92%
ˈdɑːtə 6%
ˈdætə 2%
AmE:
ˈdeɪțə 64%
ˈdæțə 35%
ˈdɑːțə 1%
NB: ț stands for the (voiced) alveolar tap (flap) here. Wells uses a slightly different symbol, not the usual IPA one.
https://english.stackexchange.com/a/73841
アメリカでは過半数は デイタ、しかし ダæタ も多いようです。(tの発音の議論がありますが、ここでは母音だけに注目します。) Preference polls とありますから投票によるもので調査による分布ではないということでしょうか? でも実情は反映されてることでしょう。(関係ないですが、私はWells教授の講義は聞いたことがありますが、自分で発音辞典を持ってなくてちょっと残念です。。)
youtubeにあった短い発音動画を貼っておきます。
この動画では米語発音として「デイタ」 /ˈdeɪtə/、オーストラリア「ダータ」 /ˈdɑːtə/ が紹介されてます。
また、この動画のコメント欄にイギリスのテレビ番組 (The Last Leg) の1場面が紹介されています。こちらの動画です。(*)
Adam Hills Mispronouncing Data - The Last Leg
オーストラリア人の司会者がダータを連発したところ、コメンテーターのイギリス人がストップをかけ、会場は大盛り上がり。この英語私は100%聞き取れないのですが、とても可笑しそうです。
実はオージー発音を知って衝撃だった要因の1つに、知り合いのオーストラリア人が日本で仕事していたとき「デイタ」と発音していたということがあります。なので今回尋ねてみました。そしたら日本に居たときは周り (特にその人が親しかったアメリカ人に) に合わせてた、こちら (オーストラリア) で「デイタ」と言ったら職場のみんなに笑われるだろう、みたいな返事でした。。そこまで合わせなくてもいいんですが ^^;
というわけで data の発音「ダータ」はマイナーな発音などではなく、 オーストラリアでは主流だーた、アメリカでも多いというという話だーたでした。最後はでしたで締めますと。
*追記 (2020年5月7日): 動画を本文に追加しました