レポートなどきっちりした英文を書くときに使わないようにしている単語について。
一部は私の全くの偏見そして独断に基づいている。
1. various
various を使わない。なぜかというと、日本人はすぐこの単語を使いたがる、と自分で勝手に思ってるから。日本語で「いろいろな」と言いたいところですぐに various を使う。ある程度まとまった文章を書くと「いろいろな」と言いたいところが何カ所か出てくる。そこで various。安直にかなりの頻度で使う。そう思っているので自分は various の使用を避けたいと思っている。
全くの偏見だ。まず日本人が本当に various を多用するのか、根拠はない。 次に、別に日本人だけがよく使うわけではない。ネイティブだって「いろいろな」という意味で variousを使う。英語として全く間違ってない。
だから various を避ける合理的理由はない。そうなんだが、日本人が書いた英文で various に遭遇すると、「あー使っちゃったな」と思ってしまう。繰り返すが、various に何も問題はない。全くの自分の思い込みによる。
various を使わないならどうするか。
一番簡単なのは a variety of に置き換える。何で various がダメで a variety of ならいいのか、それなら別に various でいいじゃないかと他の人は思うだろう。 私は various 嫌悪症なのだ。a variety of ならいいのである。
他には、different、diverse、several、many などと置き換えられないか検討する。~ kinds of、~ types of でもいい。~ のところに different、diverse、several、many などを入れる。
variousを避ける。実はもう何十年に渡る (無意味な) こだわりだ。
2. quite
quite は使わない。理由は簡単だ。例えば
She is quite beautiful.
この場合「まあまあ綺麗」なのか「ものすごく綺麗」なのか、綺麗の程度がはっきりしないから。
ネイティブや英語に通じている人なら、程度の度合いは通じるのかもしれない。しかし少なくとも私はわかってないし、よくわからない非ネイティブ・英語学習者も多いはずだ。調べるとイギリス英語とアメリカ英語で用法が異なるという話も出てくる。
程度の度合いが明確に伝えられない quite は使わない。
3. since
「~だから」の意味で since を使わない。日本人が「~だから」の意味で since を使う場合、becauseという簡単でありきたりな単語ではなくて since のほうが論文調というか格式ばった感じに響くから、という理由であることが多くはないだろうか。
since には「~以来」の意味もある。文意をはっきりさせるため、「~だから」の意味のときは since ではなくて because を使えばいい。これは英文の書き方などの本でもよく言われていることだ。
since には実際「~だから」の意味はあるから、「~以来」と混同することがない文脈では使っていいかというと、これも微妙だ。実は since と because は用法が微妙に異なる。その違いを正しく把握していればいいが、単に because の置き換えとして since を使うと用法違いにもなりかねないので、避けた方がよい。
「~だから」の文脈で because を使いたくないならば、owing to を使ったり (節ではなく句になるため文を少し変える必要はある)、文を書き換えて「従って」系の語句、therefore、hence、accordingly を使ったりと、いろいろ手はある。
4. seek
意味や用法をよくわかっていればいいが、何か物を「探す」ときは look for でよい。単に格調高くしたいからという感覚で look for を seek で置き換えると、用法違いになる。
5. utilize
use と utilize の違いはよく議論されているが、私は utilize は使わず use を使うことにしている。それは両者の違いを自分は十分に理解してないためでもあるし、utilize は使わず use でよいと以前言われたことがあったからでもある (いつだったか覚えてないが)。
上で述べた since、seek もそうだが、詳しい意味や用法の違いを承知せずに、何となく格調高そうという感覚で because、look for、use の代わりに since、seek、utilize を使うのであれば、それは避けたほうがよい。
以上、自分が英作文で使わない単語について、思いつくところを挙げてみた。