独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

copious joke

いちおう化学系出身で (化学に詳しいとはいえない...)、英語好きな私が愛したジョーク。この話で copious という単語をしっかり覚えました。

 

A postgraduate student who has to spend afternoons in chemistry practical classes as a demonstrator tells us several tales about the misapprehensions of the undergraduates he works with. Our favourite concerns a first-year student who was wandering around the lab peering into fume cupboards and scouring shelves of flasks and bottles, obviously looking for some vital reagent for an experiment.

The demonstrator approached the young chemist and asked what particular compound he sought. “Copious water,” was the reply, “it says use copious water to cool the reaction…so I was looking for the flask.” The demonstrator simply pointed to the taps on the benches and walked away grinning. But being of a mischievous nature, he then quickly put labels on the lab’s bottles of distilled, deionised water for the benefit of the next novice chemist: “COPIOUS WATER: use sparingly.”

 

訳しますね。

午後の化学実習担当のポスドクは、学生のいろいろな勘違い話を聞かせてくれる。お気に入りは、ドラフト内に首を突っ込んだりフラスコやビン類の棚をあさったりして、明らかに実験に必要な何か大切な試薬を捜して実験室内を行き来していた1年生の話。

ポスドクがその若き化学者に近づき、どの化合物を探しているか尋ねた。「潤沢水 (copious water) です。」との答え。「反応を冷却するため潤沢水を使用すること、と書いてあります。それでその容器を探していたのです。」ポスドクは単に実験台の蛇口を示し、にやにやしながら立ち去った。しかし茶目っ気な性格のためすぐに実験室に戻り、初心者化学者のため実験室内の純水ボトルにラベルしておいた。「潤沢水: 節約して使うこと」

 

キーワード

copious: 豊富な、多量の

 

わざわざ解説するまでもないかもしれませんが、copious という単語は日常生活ではあまり出会うことのない単語で、学生は copious を何かの化学用語だと思ったんですね。copper「銅」と似てますし、ferrous「第一鉄の」という元素関連で -ous で終わるよく見る単語もありますから、銅関連の試薬と思ったのかもしれません。"copious water" で冷やせとあるから、"copious water" なる溶液の入った容器を捜してたわけです。実際は copious water は何かの溶液ではなく、多量の水です。ポスドクは最初は笑いをこらえて蛇口を示したのですが、あとで純水ボトルに「COPIOUS WATER: use sparingly」とラベルします。君たち、これがCOPIOUS水だ、大切に節約しながら使いたまえ、というわけですが、copious は多量のという意味で、節約する必要はないんですね。

copious を知らないと化学用語かもと思ってしまう感覚はわかりますから、おもしろい話です。和訳では「潤沢水」としてみましたが、化学用語と勘違いを起こす copious の語感は消えているため、元の英文のおもしろさは伝わりません。

 

なお、この話は簡略化したバージョンを見た記憶もありますが、出典はここだと思います。

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