1年以上TOEICを受験していないのにまとめ的な記事を書くのもなんだが、最近TOEIC本をまとめて処分したので、いつも思っていることをまた書いてみたくなった。今までのTOEIC記事の内容と重複するし、TOEICを何回も受験している人はよく承知してることではあるが。
1) TOEIC 970 は容易だが 990はちょっと難しい、と思う
TOEICは語彙も限られ、専門的な文章やあるいは英語圏で生活してる人じゃないとわからないスラングが出るわけでもなく、発音も明瞭で、あくまでも中級レベル学習者を対象としているとみなされている。
それならば、ある程度レベル以上の人がTOEICを受験したら皆満点つまり990が取れるかというと、そうはなっていない。いくつか落とし穴、すんなり満点を取らせない引っかけ問題や微妙なところを突く問題が含まれている。だから英語講師でもスコアが970や980だったりするし、TOEIC講師でも連続990は難しかったりする。それがかえってTOEICにパズル的な面白さをもたらし、英語は大体わかる人たちの中に、躍起になって990を目指して連続受験する人も出てくるわけだ。私とか。
TOEICで970は容易だが、990はちょっと難しい。私はそう思っている。
まあ自分がそのレベルにいる、つまり970はなんとか取れるが990はたまに偶然でしか取れないレベルだからそう思うと言われればそれまでではあるが。
2) 990 は全問正解しなくてもよい
いちおう990を語るときの予備知識として、念のため記しておく。受験者にとっては常識ではあるが。TOEICの最高点はリスニング495、リーディング495、トータル990だが、そのためには必ずしも全問正解しなくてもよい。テストの回ごとに異なるが、リスニングは3問間違いくらいまで、リーディングは1問間違いでも495になることが多い。高得点者でも990がちょっと難しいのは、リーディングを全問正解か1問間違いに抑えるのがちょっと難しいからだ。リーディングはリスニングよりも微妙な選択肢が多かったり引っかけが潜んでいたりするし、さらに時間制限による圧迫が加わるためだ。
3) TOEICは時間との勝負
TOEICは時間との闘いだ。リスニングの45分は少しも気を抜けないし、リーディングは分量の多い問題を制限時間内で回答しなれければならない。リーディングをやり終えることができるのは、かなり英語に慣れてからだ。受験者にとっては当たり前の事実をわざわざ書いたのは、TOEIC経験のない人が問題を眺めただけでどれくらい出来そうと言う場面に出くわしたことがあったからだ。時間の制約があるため、本試験かせめて模擬試験を1度でも経験しないと、得点予想は難しい。ひと通りやり終えることが出来る場合でも、リーディングの例えば「本文の内容と一致するものを選べ」的な問題で、選択肢が微妙な場合には選択肢と本文をよく照合して吟味する必要があるが、時間がないとそれができず、引っかけ選択肢を選び、点を落とすことがある。時間は常に重要な要素だ。
4) 引っかけ 1 : Part1 受動態進行形と受動態現在完了形
さて、高得点を取れる受験者でもTOEIC対策をしていない and/or 受験回数が少ない場合に間違いやすい引っかけの代表2つ取り上げる。まずリスニングPart 1。
何はともあれ例題。机の上に何冊か本が積まれている下の写真(いらすとや画像)について、4個の文が読み上げられるとする。
(A) A woman wears glasses.
(B) Some books are being stacked on the table.
(C) A man is lighting up the table with his pen light.
(D) Some books have been stacked on the table.
回答する側は、選択肢をこんな感じで聞いていくことになる。
(A) 全く違う、楽勝らくしょー、(B) books … stacked on the table 正解はこれかな、(C) light は write と混同させる引っかけ、pen も引っかけ、いやらしい引っかけだなあ、答えは (B) だな、(D) books have been stacked on the table え、合ってるじゃん、(B) も合ってたし、どっち、え、え?
ぼんやり聞いていると、こんな具合に慌ててしまう。
正解は「積まれている」の (D) が正解で、(B) は「積まれているところ」だから不正解。しかし進行形が聞き取れてないと (B) を選んでしまうかもしれない。
is being …ed と has been …ed
are being …ed と have been …ed
これらの音は似ているため、注意していないとわからなくなる。そしてこの受動態の進行形と完了形の問題は、毎回ではないにしてもかなりの頻度で出題される (最近の事情を私は知らないが、以前はそうだった)。 だから要注意だ。私は最初の頃、何回か間違えた。いつも「大体」で聞いているので、進行形と完了形で惑わされているという事実に気づいてさえいなかった。こういう引っかけがあると学んでやっと注意できるようになったが、わかっていても聞き取りは難しい。
ところで、上の例のように (B) が正解だと思っていたら (D) も正解だったという場合、最後に聞いた (D) は (B) よりよく耳に残っているであろうし、もしそれが正解ならば (D) と解答するのが正しい。紛らわしい選択肢がなぜ間違いかわからなくても、1つ確実に正解の選択肢があれば、それを選ぶべし。
5) 引っかけ 2 : Part7 同義語問題
リーディングから引っかけの代表を。リーディングPart 7には必ず同義語問題が出題される。ある単語について、文中の使用法に近い意味の単語を次の4つの中から選べという問題。選択肢にはTOEIC慣れしていない人が引っ掛かりやすい釣り針が含まれているので、気をつけなければならない。
例題を作るのは難しいのだが、以下の文で下線語の文中の意味と同じ語を(A)~(D)の中から選べという問題があったとする。
The bank did not honor the check.
(A) respect
(B) praise
(C) accept
(D) examine
honorには「尊敬する」「賞賛する」だから (A) respect や (B) praise と思って選ぶと、それは間違い。この場合は「小切手を引き受ける」の意味の (C) が正解だ。respect や praise を文にあてはめると、銀行が小切手を尊敬したり賞賛したりして、意味がへんになる。
別の例として、こちらの記事では note を使って問題を作ってみた。(たしか note が本番の試験で問われたけれど、問題をそのまま再現するわけにはいかないので、ちょっといじったという例題。) ここでも、 note は何か短いメッセージを伝えるために書いたメモという意味でよく使われるが、問題文中ではそうでないというところがポイント。
208回TOEICの英語から (2) - hidsgo’s diary
同義語問題では、辞書に載っているという理由で選ぶのではなく、必ず文中で置き換えて、その文が意味を成すか、文脈に合っているか、検討しなければならない。問われている単語について、辞書で最初に出てくるような意味の選択肢は、おそらく引っかけだ。
以上、970は容易だけど990はちょっと難しい、ただし990は全問正解でなくてもいい、ちょっと難しいのは時間制限があるからでもあり、引っかけ問題が含まれているからでもある、という話で、引っかけ問題の例をリスニングとリーディングからそれぞれ1種類ずつ挙げた。
内容は今までの記事と重複している。
970は容易だが990は難しい、はこちらでも述べた。
スコアと誤答数についての記事。
今回の記事で取り上げた引っかけについては、こちらでも述べた。
何だか全く同じ内容を繰り返しているフシもあるが、おっさんの独り言ブログ、まあそういうこともあるだろう。