独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

ロンドン 2019 (5) ~ Kings Cross

1年前 (2019年8月) のロンドン旅行記事の続き。

この旅行で最も印象に残ったのは、キングス・クロス駅 (Kings Cross Sta.) 界隈の再開発だった。20年前から駅と周辺が一変していた。

といっても駅舎自体の外観はあまり変わらない。

これは2000年頃撮影のキングス・クロス駅。

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そしてこれが2019年の駅。

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どちらもキングス・クロス駅南側、ユーストン・ロード (Euston Rd.) に面したところ。半円形の大きな窓と中央の時計台という構造は同じ。外観は保存され、内部と周囲がガラリと変わったのだった。

もっとも、この南側部分についても、駅舎前にせり出していたWH SMITHが入る建物を取り払い、現在は大きな広場になっていることがわかる。

 

大きな広場となり、すっきりした駅前。こちらは夜の画像。

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駅前スペースには屋台が沢山並び、軽食などを買うことが出来る。お店は1年中出ているのだろうか、夏の間だけだろうか?

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駅内部や周辺の変貌ぶりを比較したく20年前くらいに撮った写真を探したが、一番上に掲げた駅外観があるくらいで他に見当たらなかった。通りがかった場所で適当にシャッターを切ることが多いため、何かあるはずと思ったが残念だ。

昔の比較写真はないが、今の写真を見て駅が新しいことはわかる。

内部がすっかり変わっていた。

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幾何学的模様の大天井。外の見える窓ガラスの下に電車の行き先を示す大掲示板。

 

上の写真で左手は中2階のテラスがあって、軽食などができるようになっている。その中2階の様子がこちら。

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いやあ、すごく斬新。すごい変わりよう。

 

以前は駅に入ると電車の行き先掲示板が真正面にあり、その先にホームが見えていた。今は駅に入っただけではホームは見えず、右手の掲示板の下をくぐるとホームに出る

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キングス・クロスだから、イングランド北部からスコットランド方面の電車が発着。

 

ケンブリッジ方面も発着するが、ケンブリッジ方面のホームは場所が離れた場所にある構造は以前と変わっていない。駅の中を奥まで進むと、左側にケンブリッジ方面の9番から11番ホームがある。

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すぐ右側にパーセル・ヤード (Parcel Yard) という標識が見えるが、これはパブ。

上の写真には写ってないが、このパーセル・ヤードの右手前にハリー・ポッターのお店があり、ハリー・ポッターファンで賑わっていた。

パーセル・ヤード パブに入る機会があった。なんでも昔はここが鉄道会社 (Great Northern Railway) の荷物仕分け場 (Parcel Office) だったらしい。

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パブの奥にあるパーティルーム。

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GNR という文字が見えるポスターは、Great Northern Railway の昔の広告ポスター。他にも昔のポスターがいろいろ飾られていた。

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さて、キングス・クロス駅の西側出口を出たところ。セント・パンクラス駅 (St. Pancras Sta.) に面するこちら側も風景が変わり、広場になっている。

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駅の北側に大きなクレーンが何本も並び、かなり大きな建物を建てている。実はこれ、GoogleのUK本社を建築中。このGoogle本社、完成すればロンドンのシャード (The Shard) の高さ310m よりも長い、長さ330mの巨大ビルになる。

聞くところによると、Googleはイギリスで一番高いシャードを上回る建物を建てたかったが、この地域は規制で高い建物は建てられないため、横に寝かせてシャードより長い建物を作ろうということらしい。

完成予想図が報じられている。

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Google unveils plans for giant London HQ that’s longer than Shard is tall | The Independent

こんな巨大ビルがキングス・クロスとセント・パンクラスの間に横たわることになる。完成すればまた一段と風景が変わるだろう。

なおシャードはスカイスクレーパー、つまり skyscraper (sky + scraper 空を削るもの) だが、それになぞらえてGoogle本社はランドスクレーパー landscraper (land + scraper 地を削るもの) であるとデザインした人は呼んでいるらしい。

 

キングス・クロスの大改装は駅舎だけではない。その周辺の再開発もすさまじい。Google本社もその1つだが、建築中のGoogle本社の脇を抜けて北へ進むと、運河を渡ったところに造られたグラナリー・スクエア (Granary Sq.) という広場に出る。ここも見張る場所だ。

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夏なので広場は噴水で飾られ子供たちが水遊びしていた。左手奥にはレストランやお店が入った建物が続く。

このあたりは昔は何かの廃墟という雰囲気で、1人で通るのは怖いところだった。今はすっかり開けて、家族連れも多く訪れている。

 

下の画像は広場の奥のほう。屋根がカーブしたデザインの建物は中にお店が入っている。

後ろに円柱状の建物が見えるが、昔はここにガスタンクがあり一帯の雰囲気に殺伐さを加えていた。再開発に伴いガスタンクは解体され、その枠組みを再現したビルを建て、オフィスや住居にしている。

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接近してみる。

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芝生をタンクの枠組みで囲った公園も。

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このようにキングス・クロス界隈は、駅舎と周辺が驚きの大変貌を遂げていた。都市の変わってゆくさまを体験するのはおもしろい。