Fancy a cuppa?
紅茶のお時間。ベルガモットの風味が香しいアールグレイ・ティー。私も好きだが、そのアールグレイ・ティーの英語の発音について記しておきたい。なぜなら昔イギリスを旅行した時、アールグレイ・ティーを注文しようとしてなかなか通じなかったから。
今日の英語
Earl Grey
ポイントは、アールは弱く低く、グレイを強く高く
アール グレイ
日本語では「アールグレイ」と1語になっていて、発音するときも最初のアーから強く
アールグレイ
のように言うことが多いかと思う。ところがこの言い方では英語として通じにくい。
アールグレイ Earl Grey は、グレイ伯爵のこと。アール Earl が伯爵を表す称号で、グレイ Grey が苗字。アールグレイ紅茶は1830年代に英国首相だったチャールズ・グレイ (第2代グレイ伯爵) に由来するが、wikiによるとどのような関係か、はっきりしないらしい。
Earl は称号、つまり Mr. などと同じ役割。Mr. Grey「グレイさん」なら Grey という名前に意味があり強調し、Mr. はその前に添えるだけになる。同様に Earl Grey「グレイ伯爵」でも強調するのは Grey という名前。強調するときは音を強く高く発音する。文字の大きさで表せば
アール グレイ
という具合になる。アールは弱く低く、グレイを強く高く。Grey の出だし G は子音なので実際に強く発音する音 Rey を強調している。
ケンブリッジ辞書の音声発音がわかりやすい。
Earl Grey /ˌɜːl ˈɡreɪ/
人名グレイを際立たせる点が一番のポイント。日本語でよく発音されるようにアールが強いと全体の語の感じが変わってしまい、通じにくいということになる。
発音についてその他は細かなこと。
Earl のアーは発音記号なら /ɜː/。これは あいまい母音 schwa (シュワ) /ə/ を長く伸ばしたもので、口を小さく開けて、アでもイでもオでもないぼんやりした音を出して伸ばす。イギリス英語の場合は巻き舌 r の音を入れなくていい。語尾の l は舌を弾かなくていい (「暗い L 」の発音)。アーゥくらいの感じ。Grey は l ではなくて r の音にいちおう気をつけ、つまり舌は浮かせたまま二重母音レィを強く高くしっかり発音。
これらは細かなことで、くどいけれども大切なのは、Grey を強く高く、Earl は軽く添えるということ。
というわけで、日本語でアールグレイと1語で言う場合と、英語で Earl Grey を発音する場合の違いでした。
Have a nice cup of tea !