2020年度NHK杯囲碁トーナメントは3月21日に決勝戦が放送され、一力遼天元が余正麒八段を下し、2年ぶり2回目の優勝を果たした。
決勝戦とこの1年の簡単なまとめを記録しておく。といっても私の囲碁記事は碁の内容ではなく、番組の周辺記録。
今年はコロナ対策のため対局室のセットが大きく変わったが、決勝戦はまた少し違った。今年のセットはこちらに
そして決勝戦。金色の背景で少し華やかに。
決勝戦ではいつもとは異なるカメラアングルが現れる。今回、読み上げの辻初段と記録の外柳三段を斜めからのアップで映したのは新鮮だった。
解説は芝野虎丸王座。NHK杯解説初登場。聞き手はいつもの星合志保二段、いや三段。星合さんは3月5日付けで三段に昇段。直後の3月7日放送のNHK杯ではテロップさえ間に合わなかったらしく二段表示のままだったが、14日と21日の放送では昇段のテロップが出ていた。
決勝戦で画期的だったことは、星合さんが対局中も解説に参加したこと。昨年6月からコロナ対策仕様になって以来、解説は解説者のみが大盤を使い、星合さんはカメラに映らないところから質問していた。やっと戻って来た。Welcome back ほっしー。ただし星合さんは脇に立つだけで石は並べず、解説者とディスタンスを保っての進行だった。来期もこの形で進むのかもしれない。
以上は決勝戦の話題。
星合さんが解説に戻って来たと書いたが、実は解説者交代という形で準々決勝で登場した。
今期はコロナ禍とその対策がなによりも大きな出来事だが、その中で番組としてインパクトのある出来事だった。さすが治勲先生。
NHK杯は毎対局何かしらの見どころはあり、それは碁の内容だったり、解説者の言葉だったりする。今期の碁の出来事では、山下九段の初手天元は今後も語られるだろう。AI全盛で計算高く地を獲得するが見た目つまらなくなる碁が多くなる中で、おもしろさを見せたのだった。
今月の大きなニュースだったのは、平田七段と声優の照井春佳のご結婚。
照井さんはコロナ禍に囲碁を勉強し、4か月で囲碁初段になったというお方で、「囲碁フォーカス」でも紹介された。平田七段は若手実力者であることは言うまでもないが、囲碁講座(囲碁フォーカス)講師、NHK杯読み上げ、解説、そして対局者で出場という、NHK囲碁の稀有な「4冠」達成者で、視聴者にも親しまれている。お二人のなれそめは、こちらの週刊碁の特集らしい。
勇者の碁【とある編集室の井戸端会議】 | コラム | 囲碁の日本棋院
遅ればせながら、おめでとうございます。
この1年は私にとって囲碁と囲碁棋士が今までよりより身近に感じられる1年になった。ほっしーこと星合三段の影響が大きい。NHK杯では落ち着いたわかりやすい司会でよく知られているが、早くからSNS活動をしている棋士の1人でもある。Youtubeもやっていると聞いて私も1年くらい前からほっしーのyoutube配信を見始めたが、初期の頃の配信から見ていたことになる。
囲碁アプリでの実況解説はわかりやすく勉強になるが、アイドル語りなどの雑談がとてもおもしろく私は好きだ。
昨秋には13路盤の本を出版、
2月にはyoutube一周年記念配信、
そして今月の三段昇段。
コロナ禍にあっても精力的に活動し、囲碁と囲碁棋士をより身近に感じされてくれたが、星合先生(呼び方がころころ変わる)におかれても充実した1年だったのではなかろうか。
私も星合先生の影響で、現在は囲碁ウォーズと囲碁クエストにハマってしまっている。万年級位者だが、いつか初段へ脱却したい。
というわけで、今期のNHK囲碁を振り返るということで、NHK杯決勝戦から星合先生までとなったが、今の私と囲碁との接点だ。