独男の雑記帳

60代コミュ障独身男(結婚歴なし)の存在していた記録

crossrail 2022年5月

すっかりブログ更新が滞ってしまっていた。今月はじめイギリスでは女王のプラチナ・ジュビリー (Platinum Jubilee)を祝う式典が催され、それに先立つこと5月24日、ロンドンのクロスレース (Crossrail) がついに開業した。女王の名を冠したエリザベス線が開通したのだ。以前ブログで触れたので記録しておきたかった。

6年前の記事。このときは名称がエリザベス線 (Elizabeth line) に決まったというニュースだった。

hidsgo.hatenablog.com

この当時は2018年開業とされていたが、難工事、膨大な予算の増加などで開業は遅れた。詳細は追ってないが、日本に居ながらあの路線はどうなったのかなと時々思っていた。

 

そもそもクロスレールとは、ロンドンの中心部と東西をつなぐ鉄道路線。これまで周辺からロンドン中心部へ移動するにはターミナル駅で地下鉄に乗り換える必要があった。クロスレールにより中心部へ直接乗り入れが可能になる。ヒースロー空港にも接続されている。ロンドン中心部は新たな地下鉄路線が建設され、この地下鉄路線だけでもロンドン中心部の移動が便利になっている。

マップは https://www.crossrail.co.uk/route/maps/ からスクリーンショット

 

2019年夏、ロンドン訪問。クロスレールはまだ工事中。下の画像はトッテナムコートロード (Tottenham Court Road) 駅。他の路線のため駅は通常営業していたので、この出入り口は新設なのかも。どの場所の出入り口だったろうか。

この後コロナで開通はされに遅れた。

 

そして今年5月、やっと開業。

www.bbc.com

ただし全線開業ではない。5月に開通したのは南東部アビーウッド (Abbey Wood) からパディントン (Paddington) まで。東部へはリバプール・ストリート (Liverpool Street) で、西部へはパディントンで乗り換えが必要になる。この乗り換えが不要になるのは今秋らしい。それでもロンドン中心部の地下鉄部分が開業したことは、日本に居ながらも嬉しいことだった。

 

ところで以前のブログ記事では、ヒースロー・エキスプレス (Heathrow Express) がどうなるか疑問に思っていた。ヒースロー・エキスプレスはパディントン止まりだし、料金も高い。エリザベス線なら割安に空港からロンドン中心部へ、乗り換えなしでアクセスできるからだ。この答えは今はわかる気がする。ヒースロー・エキスプレスは今まで同様に利用されるだろう。料金は高いがノンストップだし席もゆったりしているから。日本でも成田空港には京成でアクセスできるが、割高な成田エキスプレスもよく利用されていることと同様だ。

ヒースローのアクセスについて言えば、以前からピカデリー線でロンドン中心部へ乗り換えなしでアクセス可能とはいえ、各駅に止まって時間がかかるのが疲れる。空港バスをよく利用したが、ヒースロー・エキスプレスが出来てなくなってしまったのが個人的には残念だった。

 

何だかんだ言って、次にロンドンを訪れたときは、まず空港からエリザベス線を使ってみるだろう。

 

キャサリン妃が朗読した児童書

ジム・トムリンソン(Jill Tomlinson)著「The owl who was afraid of the dark」を読んだ。

1968年に出版された児童書だが、キャサリン妃が今年2月にBBCの子供向けチャンネルCBeebiesで朗読するためにこの本を選んだと報道されて知った。

www.bbc.co.uk

news.livedoor.com

 

フクロウは夜行性だが、赤ちゃんフクロウ「プロップ (Plop)」は暗闇が怖く夜は外へ出られない。しかし近くの人や動物と暗闇について話をするうちに暗闇への恐怖を少しずつ克服し、やがてプロップはお父さんお母さんフクロウと一緒に夜空へ飛び立つというお話。駄々をこねていたプロップだが、お母さんやお父さんが辛抱強く支え、出会った人や動物との温かいやりとりを通して、少しずつ自信を得て世界を拡げていく様子が描かれている。

キャサリン妃は2月の「子どものメンタルヘルス週間」にちなんでこの本を選んだ。キャサリン妃自身も子供のとき読んでおり、今年のテーマ「共に成長する (Growing Together)」にふさわしいとして選んだとのこと。なお朗読されたCBeebiesチャンネルの「ベッドタイム・ストーリー」という番組は、これまでも多くの有名人が出演している長寿番組で、皇室からはキャサリン妃が初めてだった。

英語について言えば、他の英語の児童書についてもそうだが、児童書だからといって英語学習者が容易に読めるとは限らない。ところどころ意味のとりにくい単語や文があるかもしれない。でも100ページほどの本を読み通すのはさほど難しくはないだろう。なおキャサリン妃が番組で読んだものは原作本ではなく、10分ほどで朗読できる要約版。

ちなみにフクロウは owl だが、発音は /aʊl/。綴りを見るとオウルと言いそうになるがアウルが正しく、間違いやすいので英語学習者としては注意したい。プロップ家族は barn owl、メンフクロウというフクロウの種類で、ヨーロッパではよく見られる種類。物語の中でプロップがときどきするように、甲高い鳴き声を発するらしい。

メンフクロウ - Wikipedia

検索すると邦訳としては松永ふみ子「くらやみをこわがったフクロウぼうや」(1983年、偕成社)がある。

くらやみをこわがったフクロウぼうや (偕成社): 1983|国立国会図書館サーチ

 

なお最初に引用したBBC記事はキャサリン妃の画像のみだが、こちらの記事には短い動画が載っている。

www.bbc.com

これは物語を朗読した後に彼女が30秒ほど語ったメッセージ部分になる。Transcriptは脚注に(*1)。なお実際の朗読の動画はいくつかYouTubeに上がっているようだ。

 

さてこの本を読んだのは、キャサリン妃が選んだ本を読んでみたかったということではある。私は以前に英語の勉強としてロアルド・ダール (Roald Dahl) など児童書をあれこれ読んだ時期があったのだが、この本は知らなかった。しかしもう1つ大きな理由があり、それは作者についての記事を読んだからだ。

www.dailymail.co.uk

記事によれば、ジル・トムリンソンは1931年生まれ。オペラ歌手を志望して音楽学校を卒業し20歳で結婚。しかし1957頃から双極性障害を患い2回入院。その後作家を志望し、1967年に最初の物語 Hilda: the Hen を出版 (*2)。The owl who was afraid of the dark は1968年の出版。ところがその頃に多発性硬化症 (multiple sclerosis) を発症。その後、動物を主人公にした物語を12冊出版したが、その間に車椅子生活となり、口述筆記を行い、最終的には息や目の動きで文字を選ぶボードを使ったという。1976年、45歳で死去。娘1人と息子2人がいる。娘さんは「一番の思い出は母親の笑顔」と述べている。

 

個人的には私は童話を語る人ではなく、自分の人生を懸命に生き抜いた人 (作者) の話に心打たれる。苛酷な人生だったようが、彼女の作った物語は楽しく心温まる話で、多くの人に愛されているのはすばらしい。さらに今回キャサリン妃にも選ばれてよかったなと思う。

 


*1) Wow, what an encouraging tale. We can all feel scared sometimes just like our little owl friend Plop, but as Mrs. Barn Own said, “It’s better to find out about the things that scare us before we make up our mind”. And with the help of others, we can often face things that worry us. Now it’s time for bed. Night night, and sleep tight.

参考記事: Kate reads encouraging tale from childhood for CBeebies Bedtime Stories | Times Series

*2) これ以前1965年に、The Bus that went to Church という作品が16の出版社に断られたのち絵本として出版されたようだ。
Jill Tomlinson Books and Book Reviews | LoveReading4Kids

 

ウェストミンスター寺院に登れるらしい

今年イギリスではエリザベス女王即位70周年 (Platinum Jubilee) を記念してさまざまな行事が催されている。

夏にはロンドン中心部にあるウェストミンスター寺院の屋根が一般公開されるという。

 

Westminster Abbey will open roof for first time to celebrate Platinum Jubilee

www.bbc.com

日本語版はこちら。

ウェストミンスター寺院が屋根を初公開 エリザベス女王即位70周年で

www.bbc.com

 

ウェストミンスター寺院といえば、国王の戴冠式や結婚式が行われ、国王はじめ歴史に名を残した数々の人物が眠る、イギリスの歴史が凝縮された建物。世界遺産にも認定されている。今のエリザベス女王戴冠式も70年前にここで行われた。チャールズ皇太子とダイアナ妃、ウィリアム王子とケイト妃の結婚式もこの場所だった。そんなウェスタミンスター寺院に登ることが出来るなんて。

もちろん高いビルからの壮観な眺めのようなものではない。しかしイギリスの歴史を体全体で感じながら、今まで非公開だった部分を見て、イギリス政治の中心に立つこの建物の上に出ることは、貴重な体験になるに違いない。

自分はこの夏ロンドンに行くことはないが、こんな催しが行われているロンドンに思いを馳せよう。

 

ワクチン3回目接種

コロナワクチン3回目の接種を終えた。特に目立った副反応もなく改めて報告することもないが、1回目と2回目を記事にしたので、3回目も打ったよと記録しておく。

ちなみに1, 2回目はファイザーで、3回目もファイザー。2回目が9月上旬なので7カ月半あき。3回目は打つとして (*1)、当初は集団接種会場のモデルナでいいと思っていたが、交互接種の場合、副反応が多くなるという (*2)。 どうしようかなと市のワクチン予約サイトを見ていたら、以前受診したことのある医院がファイザーワクチンの接種を行っているのがわかり、そこで打ってもらうことにした。

接種後、その日はおとなしく過ごす。2日目に腕が少し痛むが、1,2回目ほどではない。2回目のときは体温は37℃を越えたが、今回は1日目の夜に36.8℃が計った中で最高だった。今回は軽く過ごせた感じだった。

3回目も何事もなく終わりひと安心。

 

3回接種したので割引サービスなど受けられる。

かながわ旅割、5月末までに延長になった。

www.pref.kanagawa.jp

これは要検討。

 

接種1,2回目の記録。

hidsgo.hatenablog.com

hidsgo.hatenablog.com

 


*1. 3回目接種と抗体値
3回目接種で抗体値 ファイザー・モデルナ 3か月後も一定の有効性 | NHK

*2. 交互接種の効果と副反応
ワクチン3回目 交互接種の効果と副反応 モデルナとファイザーの違い | NHK

 

Wordle 継続中

Wordle を毎日続けている。1月上旬にネットで話題になって知り、すぐにハマった。

今さら説明するまでもないほど広まったが、Wordle は5文字英単語を推理するゲーム。入力した単語について、正解語と位置が一致している文字は緑色、正解語に含まれるが位置が違う文字は黄色で示される。回答は6回まで。

www.nytimes.com

Wordle はもともとイギリスの Josh Wardle という人が昨年10月に公開したが、世界中で人気になり、今年1月末に New York Times に買われた。

The New York Times Buys Wordle - The New York Times

 

正解語は難しい単語ではない。少なくとも奇をてらったような単語ではない。とは言え、英語学習者の場合は、知らない単語が正解の場合もある。しかし英語の文字の組み合わせパターンは限られているため、たとえその単語を知らなくても、英語としても文字の組み合わせを考えて6回のうちに正解できることが多い。むしろ誰もが知っているやさしい単語で正解するのが難しい場合も多く、おもしろい。

 

私は辞書や Word Finder のようなものは使わず、ただし時間は無制限という自分ルールでやっている。

2月1日から何手目(何回目)で正解したかの回数をまとめるとこんな感じ。(*)

初手:0、2手目:4、3手目:8、4手目:22、5手目:20、6手目:17、失敗:4

計75回のうち正解が6手以内に見つけられなかった (失敗) のは4回で、6手あればどうにか正解を見つけられている。最初の頃は5手目、6手目で正解することが多かった。先月くらいから4手目が増えてきた。

同じブラウザでゲームしていれば、それまでの成績がブラウザに残る。自分は一度ブラウザの履歴を消去したため1月からの戦績がわからなくなったが、2月からは別に記録しており2月からの回数をまとめた。

 

やっているうちにわかって来たが、英語の文字の組み合わせパターンは限られているため、最初の2手くらいの結果で正解語はかなり絞られる。単語がなかなか思い浮かばない私はさらに数手試さないと見当つかないことが多いが、ネイティブで単語クイズ好きな人は、3手までの正解もかなり多いのではなかろうか。

失敗するときは、最初のほうでいい加減にやりすぎた場合とか、6手目であと1文字入れればよいが複数の可能性があり、当てられなかった場合などがある。同じ文字が2回使われる場合はトリッキーで、気づかないと難しくなるが、どこかのタイミングで気づくことが多い。

 

戦略(というのは大げさだが)と推理と。やってて飽きない。

Wordle は一日一問の出題なので、最初の頃は物足りなくて過去問もすべてやった。過去問は webarchive で見られる。New York Times に買われる以前の過去問は、旧サイト (https://www.powerlanguage.co.uk/wordle/) の archive で見ることができる。

今は類似ゲームサイトがネットに出て来ている。他原語バージョンもある。hello wordl WordHurdle などちょくちょくやっている。前者は文字数を可変でき、ランダムに連続でゲームすることも出来る。後者は6文字バージョン。

 

Wordle を最初にやった時、昔やった数当てゲームを思い出した。50年近く前にやったゲームだが、4桁の数を推理するゲームで、推理した数字と位置が一致していれば「ストライク」、数字は含まれるが位置が違うものは「ヒット」としてカウントされ、その情報をもとに4桁の数を推理するゲーム。その数当てゲームの単語版というところだ。

数当てゲームはずっと前からあったわけだから、Wordle のようなゲームももっと前からあってよかったとも思える。おそらくあったのだろう。今SNS全盛の時代にあって、毎回の成績を絵文字の四角でコピーできる Wordle が作り出した機能も相俟って、爆発的なヒットになったということだろう。

 

英単語ゲームでは Hangman は好きだったし、Scrabble はこよなく愛している。新聞のクロスワードパズルは私には難しすぎるが、Wordle は十分に楽しめ、好きな単語ゲームの1つになった。

Wordle おもしろい、と一言で済んだことかもしれないが、長くなった。

 

上野女流棋聖、国際棋戦で日本人初の優勝

女性棋士による囲碁の国際戦「SENKO CUPワールド碁女流最強戦2022」で、日本の上野愛咲美女流棋聖が優勝した。日本の女性棋士が国際大会で優勝するのは初めての快挙。

www.nikkei.com

この数年実力が上がって来ていた日本の女性棋士陣だが、とうとうやりましたね。おめでとう。すばらしい。世界的には囲碁は男女とも中国・韓国がトップを占める状態が続いていたが、その風穴をあける、日本囲碁界には大変嬉しいニュース。

決勝では上野さんの代名詞ハンマーパンチが炸裂し、相手の大石を取って勝負を決めた。

公開解説のリンクがどれくらい保たれるかわからないが、以下のyoutubeで3時間37分くらいから、黒の上野さんが白石11子を取り切り、勝ちがほぼ確定してからの、解説陣の高揚感が見ていて楽しい。

【決勝・3位決定戦・大盤解説会】SENKO CUPワールド碁女流最強戦2022 - YouTube

 

ところで、この大会では1回戦で13歳の仲邑菫二段が藤沢里菜女流本因坊・名人と対戦して注目を集めた。仲邑二段は惜敗に終わったが、この2人は今週名人戦を戦う。名人戦が楽しみだ。3年前に史上最年少10歳で入段し、マスコミでも大きく報道された菫ちゃん。実力は本物で、今後もさまざまな最年少記録を更新し活躍していくだろう。

上野さんの世界戦での優勝、菫ちゃんの活躍、こんなことがきっかけで囲碁の裾野が広がるといいね。

 

囲碁は難しくない。基本ルールは

(1) 黒と白が交互に石を置き陣地を囲い合う。陣地の広いほうが勝ち。

(2) 相手の石を囲うと取り上げることができる。

これだけだ。世界中に愛好者がいる。若い女棋士の活躍で、ちょっとやってみようと思う人が増えるといいね。

 

barchan 2

このあいだの日曜日(3月6日)の夜7時半。NHKダーウィンが来た!」のオープニングをちらっと見て、思わず「ばあちゃん!」と叫んでしまった。

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この砂丘の形。つい先日記事に書いた「ばあちゃん」こと barchan ではないか。

hidsgo.hatenablog.com

まあ、叫んだと言っても頭の中での話ではあるが。しかし記事を投稿したばかりだったので、思わず「おお、ばあちゃん!」となってしまった。

冒頭の画像の砂丘は、左側が凸上に膨らみ、右側へストンと落ちて凹んでいる。風が左から右へ吹いている場合の barchan だろう。

 

今回の「ダーウィンが来た!」はアフリカのナミブ砂漠に生息する生物について。ナミブ砂漠はアフリカ大陸南西部、ナンビアの大西洋岸に位置する。

番組では砂丘についての説明はなかったが、砂丘の映像がいくつか登場した。海岸に面した砂漠ということで、風が強いために砂丘も多く形成されているのかもしれない。

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この画像の砂丘の場合、風向きは右から左だろうか。

 

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ばーちゃんがいっぱい。すべて一定の形というわけではない。手前のぐちゃぐちゃとしているところは、風が巻いているのだろうか。

 

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これは風が左から右へ吹いている barchan だろうか。

 

実際の砂丘はいつも模式図的なきれいな形をしているわけではなく、しろうとの私としては分類に確証が持てないが、ナミブ砂漠には barchan がたくさんあることはわかった。

barchan という英単語記事を書いたすぐ後にテレビで実例を目の当たりにすることになり、自分には馴染みがなかった単語がしっかり体に刻み込まれたのだった。ばあちゃん、もう忘れないよ!